ひっそりと暮らす筈だったのだが。2【転生したらスライムだった件】 (ページ24)

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71話｢君に｣ページ24

リムルが見つからず、座り込んで挫折しかけた

その時、

何故か道端に正座するカイジン達を見つける。
まるで処刑間近のように顔が死んでいる。

カイジン達の前に目の笑っていないシュナ達もいた。

彼らは何かやらかしたのだろうか？

ふと、目を凝らしてみるとそこには___

『リムル！！！？』

｢うお！？A？！！｣

やっと、やっと探していた彼の姿を見つけた。

駆け寄って抱きしめる。

ずっと、ずっと探していたリムルがここにいるのを確かめるように、良く弾む彼に顔を押し付ける。

｢ど、どうしたんだA？……え！？｣

頬に涙が伝う。

私は、泣いていた。

『……どうして何も言わずに消えるの。リムル』

私がこの世界で生きるための唯一の希望が、光が
彼。リムルなのだ。

突然姿を消されてしまうと、数時間でも多大なる喪失感を強く感じてしまう。

それ程彼は、既に私にとって無くてはならない
存在なのである。

｢リムル様がなさりたいことをお止めするつもりなどありません。

……ただちょっぴり寂しかったのです。｣

シュナが私の気持ちを代弁するかのようにリムルに言う。

｢すみませんでした！！もうしません！！！｣

リムルが頭を下げた。しかし私は頑なに離さない。

｢わかりました。1週間シオンの朝ごはんで許してあげます。｣

｢え｣

シュナが軽い罰でリムルを許す。
なんとも優しい罰だろう。愛すら感じられる。

｢な、なぁ。Aもごめんな？
……ちょ、ギブギブ。力強いって｣

『…ぃ…なさいよ』

｢え？今なんて…｣

『……その、まだ時間あるし。
悪いと思ってるなら私とお店一緒に回わってって言ったの』

言い切ってから何だか恥ずかしくなり、リムルのぷるぷるとした表面(？)に顔を押し当てる。

すると彼は不意に震え出したかと思えば、私に抱えられた状態で人間の姿になった。そして細い腕を精一杯伸ばして私の頭を撫でる。

｢…うん、もちろんさ｣

彼は嬉しそうに目を細めた。

｢良い所知ってるんだ。案内してあげる｣

____今日は、遠回りして帰ろう。