ひっそりと暮らす筈だったのだが。2【転生したらスライムだった件】 (ページ16)

今日:1 hit、昨日:115 hit、合計:538,121 hit

63話｢宴｣ページ16

｢シオン。お前もそれでいいな？｣

その声にシオンが肩を揺らす

｢は、はい。ですがあの……コレ、どうしましょう？｣

｢コレ？｣

｢魔力弾(これ)…｣

__シオンの手には、膨大な魔力弾が。

｢お、落ち着け！そっと上に撃つんだ！！｣

スフィアが慌てて対処法をシオンに、言う

そっと退避する各々(おのおの)……

ライフルで核を撃ち抜いて消滅させられないだろうか。

《否。核を正確に撃ち抜き、魔力弾を完全に消滅させられる確率は不可能に等しいです。》

……だめなようだ。逃げるか

そう思ったところで、シオンが放った魔力弾を
リムルが食べて消滅させた。

その場に安堵の表情が溢れる

｢…さすがはカリオン様の認めしお方。
貴方と貴方の国に縁が出来たことに感謝を｣

アルビスが敬意を表するのだった。

｢こちらこそ。

ようこそ魔国連邦(テンペスト)へ！｣

◇◇◇

その夜。新築した迎賓館で歓迎の宴を催した。

まだ内年齢が酒が飲める歳ではないため、代わりにジュースを飲んでいた。

目の前では昼は気品を漂わせていたアルビスが酒を尻尾で持って飲んでいた。樽で。

横を見る。
スフィアも虎の姿で酒を嗜(たしな)んでいる。……大皿で。

｢この姿って他人に見せていいのか……？｣

リムルが昼との格差(ギャップ)に驚いて尋ねる。

｢特段見せてはいけないものではないのですが……｣

彼女らの部下が困ったように答えていた。

苦労人なのだろう。

『ゴブタ。この肉は貰うわ』

そう言ってゴブタの席の小鍋に煮込まれていた肉を奪う。

｢あ！？オイラが大事にゆっくり煮込んでた肉っすよ！？｣

放置して腹踊りしていたのが悪いのだ。

その後、ゴブタはリムルに商人を呼ぶようお使いを頼まれて泣きながら去っていった。

｢Aさん……｣

部下が何か言いたげにこちらを見てくる。

親指を立てて愛想笑いをしといた。