ひっそりと暮らす筈だったのだが。2【転生したらスライムだった件】

58話｢お持ち帰り｣ ページ11

｢スマン！いや、スミマセンでした！！｣

フォビオの手術も終わり、彼は手を地面につけて詫びる。


目を覚ました私は、ソウエイに手を借りながらその様子を見ていた。何だこのイケメン。



フォビオにカリュブディスの封印場所を教えたのは中庸道化連というものらしい。ラプラス達か。

この騒動の黒幕について話し合った後
お開きになった。


気をつけて帰るよう促されたフォビオが驚く。
決して無罪ではないがミリムたちも許してくれたので何も問題は無いのだが。

｢よう。気づいていたかミリム｣

そこで、ミリムの呼び掛けに魔王カリオンが歩いてくる。


でかい……

獅子王(ビーストマスター)はリムルと不可侵条約を結び、フォビオを殴り倒して持ち帰っていった。


さっさと来てさっさと去っていったのだ。



(にしても……血が欲しい。)


魔素も体力も浪費した今、身体は食べ物より血を欲していた。血液の方が養分も魔素も一度に得ることが出来るので都合が良いのだ。


ソウエイを見る。美味そうだなこいつ

自室に保管してある動物の血も残りも少しになっていた筈だ。

この際だから仕方ない。

『ソウエイ。私をお前の部屋に連れて行きなさい』

突然の誘いにソウエイが目を見開く


｢驚いたな。急な誘いだが、どうしたんだ｣

『何を勘違いしているの。さっさと連れてってば』

｢……承知した｣




私の必死さが伝わったのか、ソウエイは疑問を
浮かべつつも部屋に向かった。

59話｢ベッドの上で｣→←57話｢先を知っていても｣

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す