8話「引いた手を」 ページ10
こうしちゃ居られないとミシェラの手を引いて走り出した。
彼女も小さく「うん」と頷いて走り出す。
生い茂る木々の間を躓きそうになりながらも駆ける。
__空気中を何かがを凄まじい速さでかき分ける音が、背後から聞こえる。
「っあ!?」
『えっ…きゃっ!?』
咄嗟に振り向くとミシェラが倒れ込んだ。つられて私も倒れ込む。
痛みは無い。痛覚無効のおかげである、しかしミシェラはどうだろうか。そう思って彼女の方を見る。
思考が停止した。
彼女の背中に1本の矢が刺さっているのだ。
彼女の小さな背中から血が溢れ出す。
『ミシェラ!?ねえ、ミシェラ!?!』
傷口を押さえるも、血は慈悲もなく溢れ出す。
「ぐうぅ…ぁっ……痛ぃい…っ!」
ミシェラは痛みに震えながら小さく呻く。
「なんだぁおまえ?なに人の商品盗んでんだよ」
目線を上げると、少し離れたところに先程の盗賊のリーダーの姿が。手には弓を持っている。
「おまえを狙ったつもりだったんだがな。俺もどうやら腕が鈍ったようだ。」
「まあいい、どの道そいつはもうだめだな。おまえを変わりに商品として売ってやる。」
リーダーが何かを言っているけど耳に届かない。
手の震えが止まらない。どうしよう、血が止まらない。
『血、止めなきゃ…どうしよう!?』
「…ぁ…A…お姉ちゃ……」
「ちっ…うっせえなあ。おいおまえら、そいつを捕まえろ。抵抗するなら多少暴力振ってもかまわん。」
その声を合図に他の盗賊達が剣を手に近寄る。
いやだ……いやだっ…どうして、なんでなの……!?
ミシェラ、お願い。私を1人にしないで…っ
478人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「転生したらスライムだった件」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
怠慢のにぼし(プロフ) - 100人突破しました!!皆様お気に入り登録ありがとうございます!! (2020年3月13日 12時) (レス) id: 2524957e30 (このIDを非表示/違反報告)
怠慢のにぼし(プロフ) - いえいえ!!!!進行上少しだけになるかもしれませんが気長にお待ちください!!! (2020年1月12日 18時) (レス) id: 2524957e30 (このIDを非表示/違反報告)
黒い翼の堕天使(プロフ) - マジですか!?ありがとうございます!! (2020年1月12日 18時) (レス) id: 87644745f4 (このIDを非表示/違反報告)
怠慢のにぼし(プロフ) - 本当にごめんなさい!!!!!!機会があれば百合をぶち込みます!!!!! (2020年1月12日 18時) (レス) id: 2524957e30 (このIDを非表示/違反報告)
黒い翼の堕天使(プロフ) - 好きです!!! (2020年1月12日 18時) (レス) id: 87644745f4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:怠慢のにぼし | 作成日時:2020年1月4日 22時