ひっそりと暮らす筈だったのだが。【転生したらスライムだった件】

26話｢女子力なんて｣ ページ28

挨拶を交わすと、｢それじゃ、ごゆっくり！｣と言ってリムルは自分の部屋に戻って行った。


どうやらリムルは日々の執務に疲れて、奇遇にもこの旅館で休暇を過ごそうとしていたらしい。


ほんとに奇遇だなぁ！！！！ほんとに！！！



やけくそになりながら残りの天ぷらを食べるのであった。…後ほど胃が荒れたのは言うまでもない



◇◇◇


｢ねえA、服を見に行かない？｣


今夜寝泊まりする部屋で寛いでいると、エレンに買い物に誘われる。


んー……まあ暇だし良いんだけども…

大賢者、今何時頃？


《解。およそ16時です。》



ふむ、ならまだ夕飯まで多分時間があるしちょっとくらいならいいかな。


『うん。少しだけなら』



同郷のリムルが統べる国の首都にある店なのだから、多少気になりはするのだ。…主にリムルの服の趣味とか。




(……ゴスロリとかあったら今度からリムルに会う度蔑んだ目で見ようかな。)


(Aにどんな服来てもらおっかなぁ〜)


…と互いに違う意味で心を弾ませながら、徒歩3分の旅館から1番近い店に向かう2人であった。





____少しだけ。と言ったものの結局旅館に再び着いたのは18:30を過ぎる頃だった。
恐るべき年頃の女の子。何度試着したことか。


(ほぼ無理やり)購入した数着の服が入った包みを横目に、深いため息をついた。



元々服にあまり興味が無い私は、

『いや、買わないよ。私は見てるだけで充分』

と言った後に、エレンの猛反発を受けた。



お店からの帰り道にも、おしゃれとは何かを延々と聞かされていた。

ほぼ聞き流していたので詳細は知らないけど、
つまりもっとおしゃれをしろ。とのことらしい。





やっぱり私にはそういうのはわからない。理解することを諦めて、ただ夕飯を待つのであった。

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