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25話「魔物達を統べるスライム」 ページ27

案内された場所はなんとも侘び寂びのある和風の旅館だった。ついでに今夜はここに泊まるらしい。




__油の中で音を立てて食材に衣が着せられていく


障子で囲われた個室に並んで座りそれを眺めていた。



仲居さんが皿に丁寧に盛り付けてくれた料理を観察する。これは紛れもなく天ぷらである。




まさか異世界に来てまで天ぷらにありつけるとは思ってもみなかった。




当たり前だけどこの世界には箸の文化がないので、代わりにフォークで天ぷらを食べる



『美味しい……』



忠実に再現された天ぷらに思わず声が漏れる



「だろ?このテンプラってやつはリムルの旦那が考えたんだぜ。面白いこと考えるよな」




カバルの話にうんうんと頷き、
久々の和食をしっかり噛み締めながら食事を楽しんでいると、突然襖が開けられる。


「よぉお前ら。食事は楽しめてるか?」




_____ジュラ・テンペスト連邦国を統べる魔物。国主とも言えるスライムがそこに立っていた。



「あ、ひぃふるのらんな!!やっはりこのへんふぅあふぁはぃほぅれはす!!」



席的に1番リムルに近いとこにいたギドが、口に天ぷらを口いっぱいに頬張りながら言う。


「わかったわかった。とりあえず美味しいのは
何となく伝わったからよく噛んで食え。」


「…あれ、そちらの女性は?」



できるだけ空気に溶け込もうと気配を消してたつもりの私を見て聞いてくる。



「この嬢ちゃんは俺らの命を魔物から救ってくれた恩人だ。んでそのお礼にこの街を紹介しようと思ってな。」


「Aはすっごい強いんだよ。群れの一角熊を一瞬で倒しちゃったんだからぁ」



おいやめろ、それ以上印象持たれることをするんじゃない。



「ふーん…Aさんだったか?俺の知人を助けてくれてありがとうな!好きなだけこの国にいると良い!」


なにやら意味深な間を開けてから歓迎される。


(お願いしますリムル様。私はただの女の子です。そんな好奇心の目で見ないでください訴えますよ。)



『…初めましてリムルさん。Aです。お会いできて光栄です』


そんな思いを胸に、控えめな愛想笑いをしながら
たどたどしく挨拶をするのであった。

26話「女子力なんて」→←24話「諦め」



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怠慢のにぼし(プロフ) - 100人突破しました!!皆様お気に入り登録ありがとうございます!! (2020年3月13日 12時) (レス) id: 2524957e30 (このIDを非表示/違反報告)
怠慢のにぼし(プロフ) - いえいえ!!!!進行上少しだけになるかもしれませんが気長にお待ちください!!! (2020年1月12日 18時) (レス) id: 2524957e30 (このIDを非表示/違反報告)
黒い翼の堕天使(プロフ) - マジですか!?ありがとうございます!! (2020年1月12日 18時) (レス) id: 87644745f4 (このIDを非表示/違反報告)
怠慢のにぼし(プロフ) - 本当にごめんなさい!!!!!!機会があれば百合をぶち込みます!!!!! (2020年1月12日 18時) (レス) id: 2524957e30 (このIDを非表示/違反報告)
黒い翼の堕天使(プロフ) - 好きです!!! (2020年1月12日 18時) (レス) id: 87644745f4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:怠慢のにぼし | 作成日時:2020年1月4日 22時

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