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17話「良心に逆らえない」 ページ19

しかし、本当によく食べる3人組だ。
スープだけでは終わらず、私の丸々2日分の食糧を食べ尽くしやがった。笑顔で「おかわりはないのか!?」と聞いてきた時にはこの重戦士の顔を思わずまな板で殴りそうになったが、必死にこらえた。



『……で、人を探してるんですよね?』

この話にたどり着くまでに何時間かかったことか。すっかり幸福感に浸っている3人に食後の飲み物を出しながら聞いた。


「……ん?ああ、そうだ。忘れてた。」



こいつまじで潰しt……「そうなのよぉ、どうしてもその人に御礼を言いたくて……でも特徴も少ないから他の冒険者に聞いても見つかんなくて……」




思わず重力を浴びせようとしたところでエレンが話し始める。エレンは可愛いから許す。




ギドによると、私が逃げた後追いかけはしたが到底追いつけずにこの大森林の中迷子になった。
日が沈み、やがてお腹も減って飢え死にしそうなぎりぎりのところでこの家を見つけたようだ。



……災難だったね。なんかごめん。


その人の特徴は、小柄な体格の上、フードから出ていたブロンドの髪の長さから察するに女性。
服装はカーキ色のズボンにフード付きマント。
手にはなにやら見たことも無い長物の武器を携帯していた。と。


「こういう特徴の女性に見覚えはないか?」
とカバルが言う。




あんな短い間で良くそこまで特徴を掴めたものだ。なんだこいつら、ただの三馬鹿ではないのか



明らかに自分に当てはまる特徴への動揺を真顔の裏に隠し、平常を装う。


『んー……ここ数日家に籠ってたのでわかんないです。お役に立てずにすみません。』


息を吐くように嘘をついた。昨日の多雨の中でもばりばり外に出ていた。



「……そうか。残念だ。話を聞いてくれて感謝する」
「あ、夕飯もごちそうさま。」と付け加える。

「あっしらはこれで。世話になったでやんす」


よし、これでいい。上手く騙せたみたい。簡単で助かった。


その流れで彼らを見送って解決!とは考えたが、どうしても良心が邪魔をしてしまう。




『あの、夜に森を出歩くのも危険なので、泊まっていきませんか?』



良心に逆らえず、そんなことを提案してしまった。

18話「本能にも抗えない」→←16話「いらっしゃるな」



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怠慢のにぼし(プロフ) - 100人突破しました!!皆様お気に入り登録ありがとうございます!! (2020年3月13日 12時) (レス) id: 2524957e30 (このIDを非表示/違反報告)
怠慢のにぼし(プロフ) - いえいえ!!!!進行上少しだけになるかもしれませんが気長にお待ちください!!! (2020年1月12日 18時) (レス) id: 2524957e30 (このIDを非表示/違反報告)
黒い翼の堕天使(プロフ) - マジですか!?ありがとうございます!! (2020年1月12日 18時) (レス) id: 87644745f4 (このIDを非表示/違反報告)
怠慢のにぼし(プロフ) - 本当にごめんなさい!!!!!!機会があれば百合をぶち込みます!!!!! (2020年1月12日 18時) (レス) id: 2524957e30 (このIDを非表示/違反報告)
黒い翼の堕天使(プロフ) - 好きです!!! (2020年1月12日 18時) (レス) id: 87644745f4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:怠慢のにぼし | 作成日時:2020年1月4日 22時

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