15話「二択の訪問者」 ページ17
___目を覚ますと日はもう沈んでいた。
うおぉ……寝すぎた。頭が重い。
頭に手を添えながらゆっくりと身体を起こし、ハンモックを降りる。途端空腹感を覚え、食材を棚から取り出す。
今日の夕飯は牛鹿と野菜のスープだ。野菜は街から仕入れたもので、元の世界にはないような野菜も多々ある。
コトコトと、鍋に入った具材をスープに入れて煮込む。部屋中に香り立つ肉と野菜の匂いが、私の鼻を通して食欲を刺激させる。
じっくり煮込んだ所でスープを器に盛り付ける。
照明の代わりを担うランプの灯火に照らされたこの食卓は、ファンタジー映画のワンシーンを思い出させる映え具合だ。
『いただきます。』
スプーンでスープをすくい口に運ぶ。
うん。美味しい。肉と野菜の旨みがしっかりと出ている。さあ野菜は煮えてるかな、野菜にスプーンを伸ばそうとするとドアからノック音が聞こえた。
ここにはたまに2種類の客が来る。
道に迷い訪ねてくる冒険者。もしくは盗賊。
前者なら道案内だけで住むが、後者ならそうはいかない。彼らの目的地はここなのだから。
前者であって欲しいと強く願いながらドアの前に立ち、問う。
『どなたですか?』
「ある人を探してるんです。少しお時間をいただけないでしょうか。」
ドアの向こう側の訪問者は心做しか疲労困憊の声でそう投げかけてくる。
……前者と言えば前者か。よかった。
ドアを開くと、見覚えのある3人組が立っていた。
…………やらかしたかもしれない。
訪問者は、フラグを見事回収しに来たカバル一行であった。
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怠慢のにぼし(プロフ) - 100人突破しました!!皆様お気に入り登録ありがとうございます!! (2020年3月13日 12時) (レス) id: 2524957e30 (このIDを非表示/違反報告)
怠慢のにぼし(プロフ) - いえいえ!!!!進行上少しだけになるかもしれませんが気長にお待ちください!!! (2020年1月12日 18時) (レス) id: 2524957e30 (このIDを非表示/違反報告)
黒い翼の堕天使(プロフ) - マジですか!?ありがとうございます!! (2020年1月12日 18時) (レス) id: 87644745f4 (このIDを非表示/違反報告)
怠慢のにぼし(プロフ) - 本当にごめんなさい!!!!!!機会があれば百合をぶち込みます!!!!! (2020年1月12日 18時) (レス) id: 2524957e30 (このIDを非表示/違反報告)
黒い翼の堕天使(プロフ) - 好きです!!! (2020年1月12日 18時) (レス) id: 87644745f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:怠慢のにぼし | 作成日時:2020年1月4日 22時