第545χ ページ7
「という訳で楠雄くんの仕業では無くスナイパーの仕業だったんです。しかしそれだとまたしても不思議なんです」
何がだろう……
そう思っているのはきっと斉木くんも同じ
もうこれ以上問い詰めないで欲しいと内心ヒヤヒヤしている
「何故楠雄くんは何もしてないのに灰呂くんと同じ新聞に載ったんでしょうか?目立ちたい楠雄くんが超能力でそうさせたようにしか……」
《する訳が無い》
「斉木くんがそんな事する訳ないでしょ……」
明智くんの推測に思わず拍子抜けしてしまった
良かった、変な推測で
斉木くんにそのまま伝えたら、"良くない"と返ってきた
そうだよね良くないよね
「ともあれこれも決定的な証拠にはならず……しかしまだあるんです」
「3つめ?」
「そうです」
《やれやれ……どうせ無駄だ。僕は学校や登下校中は常に警戒している。尻尾を掴まれるなんてありえない……》
「今度は少し趣向を変えて……休日の楠雄くんを観察してみることにしました」
休日……!?
《なっ……!休みの日まで尾行してたのか……?!い……いつだ?!》
明智くんの確信的な表情と、斉木くんの意表を突かれた表情に、私の不安が募る
休日はきっと気も緩んでいるはず
でも家の外では軽くでも警戒はしているはずだ
まさか家の中……?いやいや、それは絶対無い
さすがに犯罪だ
じゃあいつの休日……?
「あれは確か4月23日の月曜日……」
4月23日……斉木くん、何してたっけ?
「私は家の前で楠雄くんが出てくるのを待ちました」
もう立派なストーカーだなぁ……
「そして8時間後」
《待ちすぎだろ》
「楠雄くんが玄関から出てきました。出てきた楠雄くんは私服のせいか少し違って見えました」
《あっ!!あの時か……!分身にみりんを買いに行かせた……しまった……!僕じゃないから明智の気配に気づかなかった……!》
あの日なんだ……っ!!
そうだよね、分身に集中してたし、明智くんの気配に気づかなくても当然……
遂にバレちゃう……っ
「あの時の楠雄くんは今思い返してもとても違和感がありました。まずいつもと顔が少し違うし歯が汚く歩き方も少し内股だし通りにあるスイーツ店のコーヒーゼリーに目もくれず肩甲骨も左側が2センチ下がっていたりまるで別人の様でした」
凄っ!!
《僕でも気づかなかった所に気づくな》
なんか悔しい……!
さすが明智くんだ……いつもどんだけ斉木くんを見てるんだろう
羨ましくもある……!
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きゅうり - とっっても面白くて何度も読んじゃってます!更新待ってます! (5月1日 23時) (レス) id: 951b8c82a0 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 面白すぎて3日かけて一気見しました!!!続き待ってます、、! (1月6日 1時) (レス) id: 66961b81e7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆくえ - めっちゃ面白くて一気見しました!!続きが待ち遠しいです(笑) (12月29日 18時) (レス) @page22 id: 1a15f30eb5 (このIDを非表示/違反報告)
無記名(プロフ) - この小説を読んでる時間がほんとに幸せで楽しくて終始ずっとニヤニヤして読んでました笑是非また私を幸せな気分にさせてください!更新お待ちしております! (10月14日 1時) (レス) id: 12db53baf5 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - すき (8月2日 22時) (レス) @page22 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まつり | 作成日時:2021年8月22日 14時