第522χ ページ25
───────
「なるほど……でも噴火ってさ、抑えつけて止まるものなの?結局噴火させないとだめなんじゃ……」
《目的は止めることじゃない》
「?」
《移動させる事だ。海底までな》
「なるほど……!!」
《海の底なら被害も最小限に食い止められる》
「確かに……!上手く行くといいね」
──目的は海底まで移動させる事
上手くいってるかな……ちゃんと海底まで移動してるかな……
地面に転がっている石を見つめながら、そんな事を考える
失敗しないでね……
不安になっていると、見つめていた石がブレている事に気づいた
あれ?私目眩?
……いや、ブレるというより、石が跳ねている
…………というか地面揺れてる?!
「うわわっ!!」
揺れが激しくなると同時に、足元に亀裂が走った
「えっ?!嘘でしょ?!まさか私の真下?!?!」
どうしよう!!
ここで少し走って逃げたところで変わらない
幅広い範囲に既に亀裂が走っている
亀裂がボコボコと浮いてきた所で、足がすくみ、動けない
もうだめだ……!!
「斉木くん来てぇええええ!!!」
しゃがんで頭を抱えていると、フワッと斉木くんの香りがした
──えっ……?
グッと引き寄せられる感覚に、顔を上げる
目の前には、地面に集中している斉木くんの顔があった
「斉木くん!!」
《なるべく縮こまってろ》
「あっ、うんっ……!」
斉木くんはしゃがんだままの私を懐になるべくギュッと縮こませ、片手で私を押さえ、もう片手で地面の亀裂をグッと抑えている
左肩辺りが相当熱く、持っていたポンポンで大して意味の無い自衛をした
ギュッと瞑っていた目を少し開け、状況を確認
すると地面から飛び出てきた小さな火の粉がポンポンに飛び移り、チリッと音が鳴った
うわわやばいっ……
咄嗟に手で叩き消し、ただただ収まるのを待つ
《もう少し……っ》
「頑張って!!」
「……!!楠雄!次の場所海だよ!!」
ハッとなった斉木くんはグッと顔を歪めた
だいぶ収まってきたとは言え、ここの噴火はまだ完全に止まってはいない
今ここを離れれば一気に噴火するだろう
かと言って海底の方を放置するわけにもいかず、ダブルももういない
《くっ……万事休すか……っ》
ここの噴火はもう少しで終わる
あと少し、
あと少し……!!
早く止まれ……!!
そう願った瞬間──……
360人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
八分雨_(プロフ) - まつりさん» レスありがとうございます!!!!もちろん、絶対最後まで見ます!!!無理せずに頑張ってください!!楽しみにしています! (2021年8月21日 6時) (レス) id: 1ae85e2dd8 (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - 八分雨_さん» わぁぁありがとうございます……!嬉しいです!!Twitterフォローもありがとうございます!!嬉しいです!ちょっと更新滞ってますが……良かったら最後まで見てやって下さい! (2021年8月21日 5時) (レス) id: 254ca2f352 (このIDを非表示/違反報告)
八分雨_(プロフ) - 更新頻度めちゃくちゃに高くて今まで読んだ中で一番だったと思います!新参者ですが企画等、ぜひぜひ参加したいなと思いました!更新無理せず頑張ってください!小説のプレゼント企画すごく賛成です!長文失礼しました!ツイ名は八況です!よければ仲良くなりたいです! (2021年8月20日 21時) (レス) id: 1ae85e2dd8 (このIDを非表示/違反報告)
八分雨_(プロフ) - こんばんわ!こちらのシリーズ小説通しで読んで楽しませていただきました!原作のものを少しずつ変えて書くのってすごいことだと思うので、めちゃくちゃ感動しました…!所々のお知らせ等も読ませていただき、Twitterの方もフォローさせていただきました! (2021年8月20日 21時) (レス) id: 1ae85e2dd8 (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - え?さん» わぁいありがとうございます!!長いですからね……お疲れ様でした!最近更新が止まっててすみません……これからも頑張ります(*^^*) (2021年8月18日 10時) (レス) id: 254ca2f352 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まつり | 作成日時:2021年7月3日 9時