第267χ ページ40
「ところで斉木くんはなんの本読んでるの?」
僕が戻そうとしていた本の表紙を見せると、"ふーん……"と一言
よく分かってないようだな
しまおうとしていた貸出カードをしまい、本を閉じた
「よいしょと……わっ」
閉じると同時に、椅子に座ろうとしてよろけたAさんは僕の腕を掴む
その時僕は指に違和感を感じ視線を移した
《はっ?!手袋が破れてる……?!》
「え?」
《しまっ───…………》
サイコメトリーが起動し、僕が読んでいた本が棚に並んでいる映像が映し出された
『『あっ……』』
同じ本を取ろうしとた誰かと誰かの手が重なり合う
『ご……ごめんなさい!』
『いえ!こちらの方こそすみません。あっどうぞ貴方の方が先だったんで』
《……なんだ?》
「ここの図書室だね?」
『もしかして"MTK"……お好きなんですか?』
『あ……はい!最近"MTK"にハマってて……』
『本当に?!ぼ……僕もなんです!』
MTKって略すんだ
というかなんだ……?
この恋愛小説の冒頭みたいなストーリーは……
『嬉しいな〜MTKの話が出来る人に会えて……あっ!自己紹介がまだだったね!僕は東野……東野文吾です……!』
「ウッ……!」
ウッって言うな
『私は村上章子。私も嬉しい……です……』
「ウゥッ……!」
顔は全然恋愛小説じゃないな
男の顔は目がでかく離れ、メガネをかけて鼻がでかい
歯もでかくて出っ歯のように飛び出ている
女の顔は目が小さく鼻はゴリラのようでアゴが長く頬骨が突き出ている
ここでようやく現実世界が見えてきた
《……っ……はぁ……終わったか……》
「これサイコメトリー……?か、顔キツかった…斉木くんが今まで以上にイケメンに見える……眼福……」
《多分20年前にこの本を借りた2人の映像だ》
「なるほど……なんで急にサイコメトリーになったの?」
《人差し指の先の手袋が少し破れていた。原因はそれだ》
「そっかー、普段からサイコメトリーにならないように極薄の手袋してるんだもんね……ねぇ、続き見たい!」
《やだ》
「えー」
《そろそろ戻った方がいいんじゃないのか?》
「あ、そうだった……!斉木くんもう帰っちゃう?」
《次の1冊を読んだらな》
「それまでにまた来る!」
その言葉を残して部活に戻って行った
やれやれ、仕方ない
早く読んでさっさと帰ってしまおうか
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まつり(プロフ) - とんこつさん» 朝イチでおはようございます。笑 そんな大優勝なんて申し訳ないです……!自分から言っといて何言ってんだって話ですよね笑 今日シリーズ7に移行しますので、良かったらそちらも見て欲しいです……!本当に読んで頂きありがとうございますo(^▽^)o (2021年4月11日 6時) (レス) id: 254ca2f352 (このIDを非表示/違反報告)
とんこつ - 夜中にこんばんは(控えめ)はい!まつりさんが大優勝ですよ!!ありがとうございます(*^▽^*) (2021年4月10日 23時) (レス) id: ce3e3c4100 (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - とんこつさん» こんにちは!読んで頂いてありがとうございます!……朝まで?!お身体が心配です……!と思う半面"朝になりました"で笑ってしまいました笑 過去1……!これは私優勝でいいですか?!笑 こちらこそありがとうございます!更新頑張ります!! (2021年4月8日 11時) (レス) id: 254ca2f352 (このIDを非表示/違反報告)
とんこつ - こんにちわ!すっごく面白くてずーーっと読んでて朝になりました笑更新頑張ってください!この作品過去1面白いです!ありがとうございます! (2021年4月8日 11時) (レス) id: ce3e3c4100 (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - 玲さん» 初めまして、読んで頂いてありがとうございます!!楽しんで頂けてる様で嬉しいです!まだまだ続きます!!笑 頑張ります!!笑 (2021年4月6日 18時) (レス) id: 254ca2f352 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まつり | 作成日時:2021年3月30日 10時