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#64 -レトルト- ページ14

やっとレトやんがLINEを返してくれた。
「ごめん。怖かった」…だって。
私そんなに怖かったのか?
…本人のところ行って確認してくるか。

レ「えっ!?Aちゃん?」

私は突撃でレトやん家にお邪魔した。
相当驚いているようだ。
私は遠慮なしに部屋に上がりこんだ。

レ「うぇっ!?」

『ねぇ…私って怖い?』

ソファーに座りながらレトやんに聞いた。
レトやんはすごい答えづらそうにしている。
…私やっぱ怖いのか。

『…私ね、グレてたんだ』

レトやんになら話してもいいかな…なんて思い、私の過去を口にする。
正直この話題には触れたくなかったけど…。

レ「あんまり無理して話さなくてもええからな…?」

レトやんは気を使ってくれたのだろう。
優しくそう言ってくれる。
私自身、誰かに話を聞いて欲しかったのかもしれない。
レトやんの言葉には感謝しつつ、また口を開いた。

『私ね、お母さんとお父さんがいないんだ』

初めて誰かにこのことを話す。
もちろんキヨくんたちは知ってるけど、この話をすることはなかった。
私は動揺していたのだろうか。
いつの間にか、涙が目に浮かんでいた。

レ「無理せんといて」

レトやんは私を優しく包み込んでくれた。
自分でも、あのときのことをまだ納得できていない部分があるからこうなっちゃうんだ…。

レ「また話したくなったら言いな?いつでも聞くから」

レトやんは私の頭を撫でながらそう言ってくれた。
私にとってそれがどれだけ大きなことだったかが、よくわかる。
それほどあのときの傷は深いのだ。
私はいろいろ考えながらも泣き疲れたせいもあり、眠りに落ちた。



-1時間後-
ふと目が覚めると、私はレトやんの家のソファーで寝てしまっていたようだ。
しかも、レトやんに膝枕してもらいながら…。

レ「おはよ。お迎え呼んでおいたからね」

『お迎え?』

起きたてで上手く頭が回っていないのに、嫌な予感がした。

キ「Aー!」

やっぱりか。
キヨくんはレトやんに呼ばれてここに来たらしい。
私はレトやんにお礼を言って、キヨくんと一緒に家路についた。

キ「A…無理だけはすんなよ」

帰り道、キヨくんは苦しそうにそう言った。
私のせいで苦しんでいる人がいる。
…明るくしてないと。

『ありがとう。もう大丈夫』

キ「…そっか。なんかあったら言えよ」

キヨくんはそれ以上の追求をせずに、明るい話題を出してくれた。
私は元気を取り戻すことができた。
キヨくんに甘えてばっかりだけど、いつかこの恩は絶対に返させてね。

#65 -フジ-→←#63 -キヨ-



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紫燕-sien-(プロフ) - (^ω^≡^ω^)さん» 遺言ありがとうございます笑!了解しました。うしざぁさん落ち書きますね。1週間以内に書くのでまた覗いてみてください^^ (2020年8月30日 23時) (レス) id: df725488bb (このIDを非表示/違反報告)
(^ω^≡^ω^) - うしざぁ落ちを......書いてくださ......い......(遺言  死因:萌え) (2020年8月30日 8時) (レス) id: f0a83a5353 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - いつも面白く楽しみに更新を待っています!大丈夫です!治ったらゆっくりでいいです!待ってますので…(^^) (2020年2月27日 2時) (レス) id: 84a3026717 (このIDを非表示/違反報告)
彩花(プロフ) - わぁ!リクエストとお答えくださってありがとうございます!続きがとても楽しみです! (2019年12月30日 4時) (レス) id: a656fafccc (このIDを非表示/違反報告)
紫燕-sien-(プロフ) - 宙ブラリンさん» 読んでいただきありがとうございました。 (2019年12月29日 17時) (レス) id: df725488bb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紫燕-sien- | 作成日時:2019年12月19日 20時

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