6話 ページ6
赤葦 side
俺がいつも電車に乗るようになったのは
いつも同じ時間帯に乗っている女性がきっかけだった。
スーツに、
タイトスカートから見える細い足。
整った顔。
すごく寒そうにしているのが印象的だった。
あの人はいつも危ない。
見てるこっちがハラハラするくらい。
例えば、扉が閉まるギリギリに飛び込んで電車に入って来たり。
駅の階段で踏み外しそうになったり。
・・・・あの人が安全な場所で、落ち着いて行動してるところをみるとホッとする。
・・・そう、なぜかあの人を見守るのが習慣になっていた。
・・・あの人は多分、俺の存在すら知らないと思う。
今日も、あの人を見守るが
今日はやけに怪しいおっさんが1人。
・・・今にも触りそうなその手の動きが俺から見ても気持ち悪く、不快だった。
誰も気付いていない。
だから俺が動くしかないと思った。
ちょうど、あの人が扉の前になってたのが良かった。
あのおっさんから引き離すように、俺があの人の後ろに立った。
するとおっさんは舌打ちをして大人しくなった。
……………危ない、この人は危機感がないのか。
多分この状況もはっきりとはわかっていないだろう。
“守ってあげたい”というよりは
“俺が守ってやらなきゃいけない”という使命感が強かった。
あの人と距離が近くなったことで、
ふわっと香る、シャンプーの匂いがした。
背は小さいし、抱き締めたい衝動に駆られそうで怖かった。
もう、あまり俺も近づけない。
でも流石に今日みたいになると困るから
俺はあの日から、あの人の後ろに立つようになっただけ。
あの人は俺と同じ駅で降りるけど、人の波でどこへ行っているのかもよくわからない。
・・・でも、日が経つにつれ
どんな名前なんだろう
どんな声をしてるのだろう
どんなところで仕事をしてるのだろう
と、考えが広まるばかりで
__________気づけばあなたのことばかり。
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daia-ria(プロフ) - 初めまして。最近このサイトを知り今日一気にこの小説を読みました。ドキドキ////////してよかったです。私は赤葦くんも黒尾くんも好きなので複雑でした・・・番外編などで、赤葦がドＳなところとか読みたいのでよかったら、書いてください！！！お願いします。 (2015年12月8日 20時) (
レス) id: 57bc7189e5 (このIDを非表示/違反報告)
あっちゃん２５(プロフ) - 初めまして、お疲れ様です。一気に読ませていただきました。顔がにやけてため息がでます。そして、あたしの中から何かが出て行ってしまったようです。。。？ (2015年11月28日 20時) (レス) id: 2b4bb6ce14 (このIDを非表示/違反報告)
トルティーヤ - な、なんだこれは！！！！！！！！面白すぎる！！！てかイラストのクロかっこよすぎ/////メガネにバンザイ！ (2015年8月25日 10時) (レス) id: 8bedbe429e (このIDを非表示/違反報告)
桜陰 - イラストのクロがかっこよ過ぎて辛い。髪おろしてるクロ好きだ。 (2015年5月12日 20時) (レス) id: 90b9e4c21b (このIDを非表示/違反報告)
塩酸 - イラストがとっても上手ですね！！！ もしよければ、私の小説のイメ画描いて欲しなぁ〜（笑） (2015年4月5日 11時) (レス) id: 141141b8d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ましゅまろ | 作成日時：2014年12月12日 23時
