【赤葦京治】社内恋愛【黒尾鉄朗】

13話 ページ13

Aside









総務部はやっぱり経理部とは違う雰囲気だった。







「おはようございます」





と、礼儀よくお辞儀をした。




課長「まぁ、そんなかしこまらずに。



もう話は聞いてあると思うが、担当は赤葦くんだ。




赤葦くん頼むぞ」






赤葦「もちろんです」









・・・課長は思ったより厳しい感じの人ではない。






ちょっとホッとした。





実際、赤葦くんがいるから心強いんだけど。









「あ、京治の担当になった方ね」







私に声をかけてきたのは綺麗な女性だった。




“京治”と呼ぶくらいだから、仲良いことぐらいは察することができた。




赤葦「・・・名前で呼ぶの、やめてくれますか」






・・・どうやらそうでもないらしい。





「京治だって呼んでるくせに、よく言うよ」




と、その女性は笑った。





「私は碓氷(うすい) 茉由里(まゆり)




よろしくね、Aさん。




あなた評判がとてもいいから、よく噂で聞くわ」





「・・・ありがとうございます」







この人は______________









“あー、もしもし、まゆり？”









あの時の電話の相手だったんだ。









茉由里「・・・京治、あまり担当引き受けないのに、珍しいわね」






・・・私だから引き受けてくれたのかな、と少し自惚れる私。







・・・そうだったら純粋に嬉しいから。








赤葦「・・・別に」









・・・・電話してた時とは違うみたいで、








なぜか私が戸惑うハメになった。








茉由里「そう、じゃあ私出張だから。じゃあね」









茉由里さんと、すれ違う時に。









茉由里「・・・・・・だからって









___________浮かれちゃダメよ？Aさん」









私の耳元で。









そう、忠告された。









___________私この人苦手だ、と思った瞬間でもあった。

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