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買ってきたポカリを枕物に置いて、嫌がるおでこに冷えピタを貼る。
なんか食べれるって聞いたらゼリーって言うから、買いすぎてパンパンのビニール袋からみかんのゼリーを出した。
｢はい、食べな｣
｢ん、…｣
｢起きれる？｣
｢手ぇ、貸して｣
弱々しい声が私を求めるから、熱を持った身体に手を回す。ベットの中はもっと熱が籠ってて暑い。
｢これでいい？｣
｢うん、｣
｢じゃあスプーンを、｣
だるそうな北斗を抱き起こして座らせて。食べるためのスプーンを取りに行こうとすれば、熱い手のひらに腕を掴まれた。
｢行くなよ｣
まるで迷子みたいな目をしてそんなことを言う北斗。スプーン取ってくるだけって言っても離してくれない。
どうしちゃったのよって見つめても、北斗は何も言わなかった。だから私も何も言わない。すぐ横に感じる体温だけが、熱い。
｢…なんで、来てくれたの｣
少しの沈黙のあと、先に口を開いたのは北斗だった。
なんでそんなこと聞くのか分からないけど、あんまりにも苦しそうな顔をしているから戸惑う。私来ちゃ駄目だった？
｢ごめん、来ない方が良かったかな、｣
｢…、違う｣
｢でもなんか、北斗辛そうな顔してる｣
｢…それは、確かにあんたのせいだけど｣
やっぱり私のせいじゃない。そう思って腰をあげかけたら、掴まれた腕がより強く引かれた。
そして、バランスを崩した私はベットに座る北斗の上に倒れ込む。すぐに起き上がろうとしても、起きれなかった。だって背中に回った腕が私を抱きしめるから。
｢…A、って、俺もずっと呼びたかった｣
｢ほ、北斗？｣
｢俺もあんたの特別にしろよ、…あいつだけなんて嫌だ｣
苦しい声が指すあいつが誰かなのは、もう分かりきっている。私と田中くんの関係は、見せないつもりでいても北斗は気付いてたんだ。
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sail(プロフ) - ゆーみんさん» コメントありがとうございます！キュンキュンがお届けできて嬉しいです！ (2020年11月29日 16時) (
レス) id: 68c0c1ca67 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーみん - めっちゃキュンキュンしました！ (2020年11月29日 15時) (レス) id: 505bb2abee (このIDを非表示/違反報告)
sail(プロフ) - 早瀬さん» タイトルの意味にまで気付いていただけてとても嬉しいです。これからもよろしくお願いいたします！ (2020年11月13日 13時) (レス) id: 68c0c1ca67 (このIDを非表示/違反報告)
早瀬(プロフ) - 完結おめでとうございます！最初は間違いなく樹の目線だったタイトルが、最後の最後で長谷川先生のタイトルになったこと、お洒落すぎました。素敵なお話をありがとうございました。次回作も楽しみにしています！ (2020年11月13日 10時) (レス) id: d923da9d53 (このIDを非表示/違反報告)
sail(プロフ) - 早瀬さん» コメントありがとうございます。想いあってたのにすれ違った2人を書いていて、私も切なくなりました、、、これからも更新頑張ります！ありがとうございます！ (2020年11月5日 19時) (レス) id: 68c0c1ca67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sail
| 作者ホームページ：http://ma-no homepage
作成日時：2020年10月23日 11時
