ep.6 隠さないで全部見せて。 ページ16
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真夜中、午前1時をまわった頃、着信を伝えるバイブレーションが鳴った。スマホを見れば、画面には松村北斗の文字。
こんな夜中にどうしたんだろ。もしかして間違い電話？と思いつつも応答すれば、はぁはぁと荒い息遣いが聴こえた。
｢え、北斗？どしたの？｣
声をかけても反応が薄い。何度か呼びかけてやっと返事がくる。
｢なんか、熱出て…｣
｢熱なのね？気持ち悪いとかは？｣
｢…頭、割れる｣
いつも要領よく話す北斗とはかけ離れた単語だけの言葉から、相当状態が酷いことを推測する。
今日の帰りどうだったっけ？ああ、もう、めっちゃ調子悪そうにしてたじゃない。なんで私気付けなかったの。
｢今から行くね｣
｢え、それは、いい…｣
｢駄目、私が心配だから行く｣
あんたは大人しく寝て待ってなさいって言えば、覇気のない声がわかったって言う。
食べたいものとか必要なものを聞いたら電話を切った。家の近くの24時間営業のドラッグストアに寄って自転車を急いで漕ぐ。
幸い私と北斗の家は最寄り駅を同じとするご近所さんだから、電話からものの20分で北斗の家についた。
着いたよって電話をかければ、鍵空いてるからって返事。
｢お邪魔します｣
そっと入った北斗部屋は、真っ暗すぎてよく見えない。でも几帳面に整理されているのがわかる、そんな部屋。
塾の講師たちでの飲み会で何度か来たことはあるけど、こんな風に1人で訪れるのは初めてだった。だから、ほんの少し緊張する。
｢北斗、大丈夫？｣
北斗の部屋はワンルームだから、廊下を抜ければベットに沈む北斗を見つけることができた。
｢電気、付けるね｣
断りをいれて照明を付ければ、ほっぺたを真っ赤にした北斗が苦しそうに息を吐いている。
｢長谷川、せんせ、｣
来てくれたんだって、目を細めてそんなこと言うからさ。いつもの北斗と違いすぎてびっくりした。
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sail(プロフ) - ゆーみんさん» コメントありがとうございます！キュンキュンがお届けできて嬉しいです！ (2020年11月29日 16時) (
レス) id: 68c0c1ca67 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーみん - めっちゃキュンキュンしました！ (2020年11月29日 15時) (レス) id: 505bb2abee (このIDを非表示/違反報告)
sail(プロフ) - 早瀬さん» タイトルの意味にまで気付いていただけてとても嬉しいです。これからもよろしくお願いいたします！ (2020年11月13日 13時) (レス) id: 68c0c1ca67 (このIDを非表示/違反報告)
早瀬(プロフ) - 完結おめでとうございます！最初は間違いなく樹の目線だったタイトルが、最後の最後で長谷川先生のタイトルになったこと、お洒落すぎました。素敵なお話をありがとうございました。次回作も楽しみにしています！ (2020年11月13日 10時) (レス) id: d923da9d53 (このIDを非表示/違反報告)
sail(プロフ) - 早瀬さん» コメントありがとうございます。想いあってたのにすれ違った2人を書いていて、私も切なくなりました、、、これからも更新頑張ります！ありがとうございます！ (2020年11月5日 19時) (レス) id: 68c0c1ca67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sail
| 作者ホームページ：http://ma-no homepage
作成日時：2020年10月23日 11時
