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にこは僕に気付くと、すぐに近くまで来た。
「他の皆は?」
「下に狐がおる。他は先に行ってもらっとるよ」
先に窓の奥で待つように言うと、僕は奥へ進んだ。
薄暗い部屋だが、特別天井のステンドガラスと横にある神の像が目立つ。
この教会の大人達は、今のこの時間だけ教会を外す。
外で宗教がどうのこうのあるらしく、長居は出来ない。
二階に異常がないことを確認した僕は、再び窓の方へ戻ることにした。
だが途中で、子供達の声が僕を刺した。
「おねえちゃん、僕も連れてって」
「私も一緒に助けて」
「私も連れていってよ、おねえちゃん」
僕は目を瞑った。
「ごめん、助けることは出来へんねん。けど、逃がすことは出来るで。このピンを抜いたら、思いっきり神様に向けて投げるんや」
子供達に『それ』を渡すと、子供達は元気な声で返事をした。
やがて子供達が「投げたよ!」と言った時には、窓に人影はなかった。
「……ごめんなぁ。僕クズやねん」
子供達に渡したのは手榴弾だった。
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こた - しぐちゃんつくってたんか!やヴぁい!!おもしろかた!!!( (2017年8月27日 21時) (レス) id: b42a4e4c1a (このIDを非表示/違反報告)
桜花 - ウワァオ((子供たち…( ; ; )悲しいね…手榴弾の部分で終わりだと思ってずっとボーッとしてしまったぜ!!((つづきを…えとね…まぁいっか!!!待っとるわ!!(( (2017年8月25日 14時) (レス) id: 29830e044e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シグ | 作成日時:2017年8月21日 15時