on your side (ページ8)

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「元々妥協して入ったところなんだけど
まあ就活があんなんだったし」

お代わりを注いだ店員さんにお礼を言って話を続ける

「やっぱり違うんだよなって」

「モヤモヤしてるんですね」

「まあ、そうなるね」

望み通りに働けるってどれくらいの確率なんだろう

「で、友達がさ
簡単に言うと起業して成功させたんだよね」

「え？！すごくないですか！」

「そう、昔から何かしでかしそうな雰囲気は感じてたんだけど
で、そいつに一緒に働かないか誘われてるワケ」

ああ、この人は違うんだ

私は誰にも見つけてもらえず燻ってるけど
この人はちゃんと次の行き先がある

全然違う

「Aさん？」

「...羨ましいです」

「俺？」

「はい海さんは求められてます
比べて私は、誰も必要としてない」

つい、なんで生きてるんだろって洩れた

言うつもりはなかったのに

私の本音、なのかな

「...」

不意に頭に感じた優しい重みに涙がこぼれそうになった

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