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side_you
一週間後
｢よろしくお願いしまーす！｣
と、その人はやって来た。
母｢いらっしゃい、荷物はもう部屋に運んであるからね｣
父｢今日から4人で仲良く暮らそうな！｣
などと両親が嬉しそうに出迎えているのを私は2階の自分の部屋から眺めていた。
一緒に出迎えるべきだと思ったけど、私は最後の反抗のつもりでここに留まった。
母｢A〜！！降りてきなさ〜い！｣
……私の最後の犯行、終了。
これからしばらく一緒に暮らすから、第一印象くらいは良くしておくべきだよね。
彼を間近で見た感想は、"細い"、"チャラそう"。
私より背が高いのに私より軽そうな見た目、地毛か染めたか知らないが髪は茶色でいかにも"パリピ"だ。
北斗くんとは真逆のタイプだ…
｢俺、田中樹！よろしくな！！｣
ん？……たなか…じゅ、り…？？
『樹のこと、よろしくな』
北斗くんの言葉が脳内に蘇る。
あぁ…もしかして……
樹｢どうした？｣
｢あ、いや…なんでもない。私、A｣
樹｢おう！よろしくな！A！！｣
いきなり呼び捨てかい
｢よろしく…｣
きっと樹くんは北斗くんの知り合いだ。
だから、仲良くできるかな…なんて一瞬でも思った私が間違っていたらしい。
母｢A、家を案内してあげて｣
｢…はーい｣
樹 ｢やった！行こ！！A！！！｣
乗り気じゃない私の手を掴み引っ張って"早く案内して！"とでも言いたげなキラキラした目で私を見る樹くん……
面倒だな…って思いつつ、少しだけ、"可愛いな"なんて思ってしまった……気がする。
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作者名：さいか
| 作成日時：2018年10月1日 22時
