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side_you
樹 ｢すんげー！！｣
家の中を紹介する度に樹くんは目を輝かせている。
台所に茶の間、風呂からトイレにまでこんな反応…変わってる人だな。
一通り1階の案内を終えたので、次は2階だ。
と言っても、2階は私の部屋と元物置の樹くんの部屋くらいしかないけど。
｢あとは2階だから｣
と、2人で階段を上る。
樹｢そういやさ、Aって何組？｣
｢4組だけど…｣
樹｢ふーん…俺2組｣
｢へー…｣
北斗くんと一緒なんだ…っていう感想しかなかった。
それ以外に特に会話もなく樹くんの部屋の前までついた。
｢ここが樹くんの部屋｣
樹｢ハハハッ…｣
え、いきなり笑われた。
｢なに？私なんか変なこと言った？？｣
樹｢ごめんごめん…、いやぁ、"くん"付けなんて久しぶりでさぁ…フフッ｣
｢そう…なんだ、｣
樹｢樹でいいよ、俺もAって呼ぶし｣
｢…了解した……｣
樹…か、なんかしっくりきた。
樹の部屋となる6畳の和室には今朝届いた樹の荷物で溢れていた。
よくまぁこれほど入ったな…
｢これ、片付けられる？｣
樹｢だいじょーぶいっ！…あ！ベランダじゃん！！｣
私が心配してあげてんのに、樹はベランダへと飛んで出ていった。
樹｢うわぁ！広っ！！…これ隣ってAの部屋？？｣
｢そうだけど…｣
私の部屋と樹の部屋はベランダで繋がっていて簡単に行き来できるようになっている。
樹｢お前の部屋…パジャマ脱ぎ捨ててんじゃん｣
｢ちょ、！人の部屋勝手に覗かないでよ！｣
私の部屋を覗いて爆笑する樹…明日にでもベランダに仕切りを作ろう。
｢見ないで！離れて！！｣
樹｢てかマンガ本積み上げてあるし…これが女子の部屋か…｣
｢やーめーて！もう！！｣
私の部屋から遠ざけようと、樹の腕を引っ張っていた時だった。
｢ごめんくださーい｣
聞き覚えのある声だった。
樹｢あ、きたきた｣
｢え？｣
樹がベランダから身を乗り出して下にいる突然の来客に手を振る。
樹｢ほーくーとー！こっちこっち！！｣
その名前に私もつられて下を見下ろす。
北斗｢おぉー、｣
と、下で微笑みながら手を振っている北斗くん。
私は北斗くんから隠すように、握っていた樹の手を離した。
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作者名：さいか
| 作成日時：2018年10月1日 22時
