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ここから出るため急いで扉に向かうとする私の片腕に触手が絡みついた。
貴『っ！』
グッと力強く自分の方へと腕を引き寄せるが、触手の力は強くどんどん引きずられていく。
持っていた包丁で何度も切りつけるけど焦りから手元が狂ってなかなか切れない。
黒「月城さん！」
とっくに逃げたと思ってたのに黒子君が私に絡みついた触手を近くの包丁で切りつけてくれた。
おかけで私は触手から解放された。
貴『ありが…』
お礼の言葉を口にする途中で触手が黒子君の身体に巻きついた。
黒「っ！」
貴『黒子君！』
必死に手を伸ばせば黒子君もこちらに手を伸ばす。
手を取ろうとしたけど互いの指先しか触れることが出来ずそのままダクトへと吸い込まれるように消えてしまった。
火「黒子ぉぉぉ！」
伊「黒子！！！」
まるで目的は達成されたかのように触手がダクトから出てくることはなかった。
シーンと静まった調理場を見渡すと2人とも呆然と、何が起こったか理解が追いつかない様子だった。
私だって同じだったけど、すぐに頭に浮かんだのは「黒子君を助けなきゃ」って使命感のようなものだった。
どうしてそんな使命感が出てきたのかわからない。
調理台に登りダクトの中を覗く。
暗くてその先は何も見えなかった。
貴『…中は…入れそうね』
それくらいしか確認できなかった。
伊「月城さん？」
名前を呼ばれ振り向けば心配そうな顔をしている2人がいた。
貴『…黒子君は私を助けて捕まった。だから私が黒子君を助けに行く』
中に入ろうとしたけど、そういえば…、と私はずっと握りしめていたものを伊月君に向けて放り投げる。
突然だったのに伊月君はいとも簡単にキャッチしてくれた。
伊「…鍵？」
貴『うん、拾ったから渡しておく。それじゃあね。ありがとう、信じてくれて』
よいしょ、と掛け声出して私は暗いダクトの中を進んだ。
中は意外と広いが後戻りするには後ろ向き移動となる。
つくづく思うが、なんでこんな事してるんだろうか？
放っておけばいいものを、ダクトなんかに入って黒子君を追いかけるなんて。
なんの使命感だよ…。
それになんか今になって全身痛くなってきた。
私、忘れていたけど身体中傷だらけなんだよね。
出血多量が死因なのはいいとして…いや、死にたくないから良いわけあるか。
とにかく死に場所がダクトの中ってのはものすごく嫌だ。
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サイガ(プロフ) - 睡-ｽｲ-さん» コメントありがとうございます。頑張って修正しますのでお楽しみにお待ちいただければと思います。 (2019年11月7日 22時) (
レス) id: 9c794300d7 (このIDを非表示/違反報告)
睡-ｽｲ- - サイガ様の脱出シリーズ、書作の更新時からずっと楽しく拝見させていただいてます！修正などって大変ですよね、再構成から入りますし…ゆっくり、サイガ様のペースで構いませんので更新、完成を楽しみにしています！！ (2019年11月7日 11時) (レス) id: 471e0d1ff2 (このIDを非表示/違反報告)
サイガ(プロフ) - LiLiToさん» コメントありがとうございます。今修正を行っているため鍵付きにしております。 (2019年10月4日 7時) (レス) id: 9c794300d7 (このIDを非表示/違反報告)
LiLiTo(プロフ) - この作品の２と３が鍵付きなのですが解除パスってないのでしょうか？ (2019年10月3日 5時) (レス) id: 41e08bc415 (このIDを非表示/違反報告)
CHIHO(プロフ) - 全然大丈夫です！ゆるりと気長に待ってます！！ (2019年8月30日 9時) (レス) id: 6e1910104e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サイガ
| 作成日時：2015年7月20日 22時
