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玲央は「そうね…」と自身の記憶を呼び起こしながらも、手当てする手は止めなかった。
私は考え事すると手が止まってしまうタイプ、同時に2つの事は出来ないからすごいな、なんて感心していた。
実「陽泉の劉君よ。Aさんを見つけたのは誠凛の火神だけど」
劉君と火神君が誰かは知らないがあとで教えてもらってお礼を言おう。
あ、でも火神君は誰なのか予想はつく。
私が意識失う前に見た黒混じりの赤髪の少年だ。
手を取った瞬間に気を失っちゃったし、驚いただろうな。
申し訳ない事をした。
桜「あ、あとで僕がそ、その劉さんと火神さん誰か教えます!って勝手に話進めてスイマセン!!」
別に謝ることでもないだろうに…と桜井君を見つめていると彼はまた「スイマセン、スイマセン」とペコペコ頭を下げては謝った。
貴『ううん、ありがとね、桜井君』
桜「い、いえ!あ、そ、そういえば名前教えてませんでした!スイマセン!僕、桜井良です」
貴『…月城Aだよ』
いい加減名前を伝えるのもウンザリしてきた。
大勢の人間がいるから誰かに「こいつは月城Aです」って伝えてもらいたい。
実「さて、包帯を巻き直したし出ましょうか」
いつの間にか包帯の巻き直しが終わったようだ。
貴『ありがとう。…あ、抱っこはもういいからね。自分で歩くからね』
さっきのはとても恥ずかしかった。
あんなの二度とごめんだ。
玲央は私の本心が分かったのか、私の必死さを見てなのかクスッと小さな笑みをこぼしてそれから「お手をどうぞ、お姫様」とエスコートした。
それくらいなら問題はない。
お姫様ではないけれど、私は玲央の手を取り立ち上がった。
倉庫の扉を開けるとすぐ近くに和成がいて、その遠くにはこちらの様子を窺っている男の子達。
その中には黛もいた。
高「終わりました?」
実「終わって出てきたわよ。他に何があるのよ」
高「そーですよね!」
和成はケラケラと笑い先ほどまで寝ていた場所まで玲央に手を引かれ、その場に座ってホッと一息ついた。
玲央は「またあとで」とその場を離れ、私と一緒になって座ろうとしていた和成は誰かに呼ばれてどこかへ向かう。
桜井君は劉君と火神君が誰なのかだけを教えてくれてから離れたのでやっと1人になれたのだった。
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サイガ(プロフ) - 睡-スイ-さん» コメントありがとうございます。頑張って修正しますのでお楽しみにお待ちいただければと思います。 (2019年11月7日 22時) (レス) id: 9c794300d7 (このIDを非表示/違反報告)
睡-スイ- - サイガ様の脱出シリーズ、書作の更新時からずっと楽しく拝見させていただいてます!修正などって大変ですよね、再構成から入りますし…ゆっくり、サイガ様のペースで構いませんので更新、完成を楽しみにしています!! (2019年11月7日 11時) (レス) id: 471e0d1ff2 (このIDを非表示/違反報告)
サイガ(プロフ) - LiLiToさん» コメントありがとうございます。今修正を行っているため鍵付きにしております。 (2019年10月4日 7時) (レス) id: 9c794300d7 (このIDを非表示/違反報告)
LiLiTo(プロフ) - この作品の2と3が鍵付きなのですが解除パスってないのでしょうか? (2019年10月3日 5時) (レス) id: 41e08bc415 (このIDを非表示/違反報告)
CHIHO(プロフ) - 全然大丈夫です!ゆるりと気長に待ってます!! (2019年8月30日 9時) (レス) id: 6e1910104e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サイガ | 作成日時:2015年7月20日 22時