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赤「時雨、今から第3体育館に行ってボール整備をしてきてくれ」


練習終了後、赤司に言われて体育館に向かう。
一応何故私が第3体育館のボール整備をしなくてはならないのかを聞いてみたら、仕事のほとんどを終わらせてしまっているから後はボール整備だけだが、他の女子マネージャーが帰ってしまっね



第3体育館は3軍が練習に使っている体育館で、練習終了後に自主練する生徒は3軍にはほとんどいないらしい。
黒子が3軍の時は一人遅くまで練習してたらしいけど、今となっては練習後の第3体育館は誰も使ってないそうだ。



なんで私がそんな第3体育館に行かないといけないんだ。
ブツブツ文句をいいながら中に入る。
そこには黄瀬君が一人で練習してた。
声かける気は全くないし練習の邪魔をする気はないので、邪魔にならない程度で仕事を始めた。



すごく集中しているのか黄瀬君は全く私に気づいていない様子。
まあ、その方がいいけど。
それに私は黄瀬君と仲良くないし、まともに話したこともない。
黒子や青峰から聞く話ではウザい奴。
一体どんな人なんだろ?



しばらく黙っての作業が続く。
たまに黄瀬君を見れば、ボールが全く
ゴールに入ってないからすごく気になった。
やっぱ灰崎とのことを気にしているのかな?


黄「うおっ!」


貴『はっ?』


いきなり黄瀬君が叫ぶので顔を上げた。
黄瀬君はこっちを見てすごく驚いた顔をしてる。
やっと私に気づいたのか。


黄「時雨…さん?」


貴『おう、お疲れ様です』


黄瀬君が私の名前を知ってることに驚いた。
一度体育館で少し話したことあるけど、名乗ってなかったし知られてないと思ってた。
あっ、一度だけ名乗ったか…。
とりあえず今は赤司に言われた事をやろう。


黄「…あの、悪いけど一人にしてくれないかな?今、すごくイライラしてて一人になりたいんで。ファンサービスとかやってる余裕ないから」


突然黄瀬君は今まで見たことない冷たい目をしてた。
声も一段と低いし怖くてびっくりした。



…ってオイ。
よくよく考えたら私、黄瀬君にそんなこと言われる筋合いねぇし!
てか、何様ですか?


黄「それじゃあ」


と、黄瀬君はもう私を見ず練習を再開した。
いやいや、なんだよこいつ。


貴『…オイ』


私は黄瀬君を呼び止めゆらりと立ち上がった。
言わなきゃ分からないヤツにはガツンと言ってやらなきゃいかんだろ。

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作者名:サイガ | 作成日時:2014年3月3日 16時

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