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71* 何故そんな顔を? ページ23

「そういえばこの服…珍しいわね
どうやって脱がせばいいかわからないわ」

「えっ脱ぐって、」

「試着もしなきゃわからないでしょう?
悪いけど、この肌襦袢に着替えてくれる?」

「はだじゅ、…?」


困った顔して、リョウが彼女に渡した白い布。
何だと首を傾げれば、着物の下に着る肌着だと言われ、頷いた。


「その反応じゃ、今まで和服を着た事ないみたいね」

「え、いやその…あるんですけどっ」

「…ふふ、いいわ。彼処で着替えてきてくれるかしら?
その間に、向日葵の浴衣を探しておくわね」

「えっあ、はい!」


着付けなど知らず、今まで魔法を使って適当に着こなしていた、なんて呉服屋の店主であるこの大和撫子に言ってしまえば…考えたくない。

 ちゃっちゃと着替えてそろ、と暖簾を覗くと、もう既に何着か和服を持ったリョウがそこへ立って待っていた。


「わっこんなに!」

「とりあえず…これなんかどうかしら?」


彼女が持ってきた中の一着を見せる。
手に持っているのは、黒色に映える向日葵の浴衣。

 可愛い、とAが顔を綻ばせると、リョウも嬉しそうにそれを広げた。


「可愛いと思ったもの言ってね。2着まで厳選しましょうか」

「あ、でも…浴衣は総悟が、」

「俺が選ぶんでさァリョウさん。
 ―…それとこいつをこんな薄い布切れ一枚で出歩かせねェで下せェ。
俺の彼女なんでィ。他の男に肌見られたくねェ」

「…っ不意打ち!」

「――…あぁ。そう。
それなら貴方が選んだものを…私が、彼女に着付けてあげるわね」


リョウが妖艶に、挑発的に口角を上げる。
総悟はそれを流し目で一瞥して、すぐに広げられた着物達に目を置いた。

 顎に手を置いて、ふむ、と頷くと。
総悟は1つの浴衣に指をさし、これ、と呟いた。


「この紺のやつでお願いしやす。
…きっと俺の着るのと良く合ってらァ」

「っえ! 総悟浴衣着るの? うそ、本当に?」

「着ちゃ悪ィか」

「ううんむしろ着て! 見たい!!」

「きめぇ」


なんやかんや嬉しそうな総悟。
…2人で楽しそうにくっついていると、彼女の腕が後ろから軽い力で引っ張られて。

 振り返れば、準備を済ませたリョウがいた。


「それじゃ…着付け始めましょうか」

「―…リョウさん、本当に、」

「あら、男は入ってこないでくれる?
女同士お着替えするんだから」

「…?」


リョウがAの肩を抱いて暖簾を閉める。


 最後に見た総悟の顔は、不安そうだった。

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- うぇ!? なんですかこの作品!…………神じゃないですか!! 作者様神ですか!? この神作品を作ってくださって有難うございます!いつまででも更新待ってます! (2018年10月3日 19時) (レス) id: 6ebd955238 (このIDを非表示/違反報告)
蒼井(プロフ) - 主人公とキャラの駆け引きがとっても自分のタイプです!これからも応援しています! (2018年4月3日 22時) (レス) id: 2e9a8055ee (このIDを非表示/違反報告)
にんじん - これからも頑張ってください! (2018年2月10日 12時) (レス) id: 5460fa1ff4 (このIDを非表示/違反報告)
さらんりちぇ(プロフ) - 総悟大好きなので、すごく面白いです!これからも更新がんばってください! (2018年1月31日 20時) (レス) id: f4f18cc943 (このIDを非表示/違反報告)
インク(プロフ) - 沖田くんオチですか。…沖田くんオチって意外と人気あるんですよねコレが。こんな駄作者な私でも100hitも行けるくらい。沖田くんはやっぱ最高だった。続き待ってます。と言っても最後のセリフは完全に襲う気マンマンだけど。 (2018年1月8日 6時) (レス) id: 2ca11f0d25 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おそらまめ | 作成日時:2017年10月29日 20時

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