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72* 怪しいあなた ページ24

暖簾をさっと閉めるリョウ。

 総悟の最後の顔に気掛かりを憶えたAが考え込んでいると、少し強い力で肩を掴まれた。


「っ、リョウさん」

「お着替えしましょうか」

「…? はい」


意味深な笑みを浮かべながら彼女の肩を撫でるリョウ。

そのこそばゆい動作に、Aがん、と息を漏らした。


「力を抜いて…緊張しなくていいのよ」

「っ…は、い」


「――…本当可愛い。

 ……襲いたくなっちゃうくらい」

「え?」



不意に耳元でとんでもない事を囁かれ、ぎょっとして振り向くA。

そこには、先程と変わらず、美しい顔がこちらへ微笑みかけていた。



「やだぁ、冗談よ! 緊張をとかしてあげようと思って言っただけだからね」

「…! そうだったんですね!
もう、びっくりしましたよ!」

「――さ、袖通ったわね。
着付けのほう進めましょう」


流れる様な動作で着付けを行なっていくリョウ。
 帯に差し掛かった時、ふと疑問に感じてAが口を開いた。


「リョウさんは…いつ真選組をやめたんですか?」

「――私の話なんか、面白くないわよ」

「面白いとか、そういうのじゃなくて!
リョウさんの事知りたいから、聞きたいんです」

「……本当、堪んないこと言うわね
いいわ。…3年前までね、女中として働いてたの」

「へぇ、すごい!」

「だけどね、問題を起こして…辞めたの」

「…問題って? リョウさんが?」

「ええ」


リョウが、帯を締める。
後ろから、彼女の耳たぶを撫でた。


「他の"女中"と恋してたのが…バレたのよ」

「……え、」


Aの顎をその白い指で掴んで、後ろに向かせる。
そのどこまでも美しい顔立ちと目が合って、Aは息を呑んだ。

まるで蛇に睨まれた蛙の様にその体は動かない。

 2人の鼻が触れ合った時、暖簾がサッ、と開いた。



「―…リョウさん、悪ィけど…
こいつはやれねェ」

「……あら。気付いてたんだ
私がこの子に一目惚れしたこと」

「…っえ? 一目惚れ!?」


彼女の腕を引いて、その肩を抱いたのは総悟。
 魔法が解けた様にAが瞬きすると、リョウは残念そうに口を尖らせた。


「まァそりゃ初見では気付かねェだろうが…意地が悪ィぜリョウさん」

「そうかしら、ごめんなさいね」

「……ねェちょっと、どういう事!」

「A。
……この人は――リョウさんは」

「うん、」



「リョウさんは、男だ」

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- うぇ!? なんですかこの作品!…………神じゃないですか!! 作者様神ですか!? この神作品を作ってくださって有難うございます!いつまででも更新待ってます! (2018年10月3日 19時) (レス) id: 6ebd955238 (このIDを非表示/違反報告)
蒼井(プロフ) - 主人公とキャラの駆け引きがとっても自分のタイプです!これからも応援しています! (2018年4月3日 22時) (レス) id: 2e9a8055ee (このIDを非表示/違反報告)
にんじん - これからも頑張ってください! (2018年2月10日 12時) (レス) id: 5460fa1ff4 (このIDを非表示/違反報告)
さらんりちぇ(プロフ) - 総悟大好きなので、すごく面白いです!これからも更新がんばってください! (2018年1月31日 20時) (レス) id: f4f18cc943 (このIDを非表示/違反報告)
インク(プロフ) - 沖田くんオチですか。…沖田くんオチって意外と人気あるんですよねコレが。こんな駄作者な私でも100hitも行けるくらい。沖田くんはやっぱ最高だった。続き待ってます。と言っても最後のセリフは完全に襲う気マンマンだけど。 (2018年1月8日 6時) (レス) id: 2ca11f0d25 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おそらまめ | 作成日時:2017年10月29日 20時

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