【銀魂】最強少女も彼の前では最強でなくなる。

51* 上書き保存 ページ3

――なんて事を考えていれば、ふとくしゃみが出た。
くしゃみが出る時は…大抵近くで嫌な事が起こっている。



スパン、



「……！ 総悟っ」



「……よォ」




―…ほらな。俺の予感は外れねェ。

丁度こいつに会いたいと思ってた。


……しかし、その横にはほんのり顔を赤くした山崎。
何らあったんだろうが、その真意は俺には分からない。


山崎に凄めば、ひっ、とそいつの喉から乾いた音が聞こえた。




「……どうしたんですかィ？」



「総悟、私大発見をしたの！」



「――…ほォ。それじゃ立ち話も何ですから上がっていきなせェ」




今日も今日とて可愛いA。

あったのは昨日ぶりだ。随分久しい。


元気よく頷いた彼女の手を握って、自室へと向かう。


……一体何を発見したのか。そして今日はどんな風に苛めてやろうか。




「団子でいいですかィ？」


「うん。頂きます」



「てめェ遠慮ねェな。……で、何を発見したって？」


「そう！ その事なんだけど」




棚にあった団子をあるだけ全部出してやれば、3つ刺しのみたらしを一気に平らげたこの女。
……いつかのチャイナ娘を思い出した。あいつと一緒にはしたくねェ。




「あのね。この前言ったでしょ。キスは駄目って」


「あァ」



「それで……その期間をね、出して来たの！

じゃじゃーん、2週間です！」


「……あ？」



みたらしのタレを口端につけたままそいつが見せて来たのは、一枚の紙切れ。


つらつらと文字が羅列して、これを見せられたところで正直読む気はねェ。




「人間の細胞って毎日新しいものに変わっていってるらしくてね。

唇の細胞周期は2週間らしいの。だから、2週間後には銀ちゃんのキスした唇は新しいものに変わってるんだ！

2週間後になったら私はキスできるの！」




突然立ち上がってそんな説明を言ってのけたこいつ。

俺を見下ろしている事と長ったらしい説明に苛立ったが、まずこいつが可愛すぎるって事を世界中に伝えたい。



「てめェは馬鹿か阿保かどっちですかィ」


「え、それどっちも一緒……ていうか聞いてた？」




立ち上がった彼女に比例して俺も立ち上がる。

そしてじりじりとAに詰め寄る。





「ちょっ、総悟…んぅっ……！？」


「待つよりも……俺が、上書きした方がずっと早いんでィ」






目があったそいつの顔は首まで真っ赤にしていて。


熱くとろけるその唇に、何度もキスを重ねた。

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