狂犬 25 ページ13
貴『そいつを連れ戻すのが私の仕事です。そいつ以外全員民宿にいるので必ず待機しててください』
黒「かなり必死ですね」
そりゃ必死にもなるよ。
ここ霊界なんだから。
生きた人間がその世界にずっと留まれば帰れなくなるし、幽霊の仲間入りを果たすこととなる。
私はまだ仲間入りを果たしたくはない。
貴『この霧、多少は薄くなっているからこのまま真っ直ぐ行って迷う事はない。早く行って民宿で待機、いいですね？』
私の言葉に全員が頷く。
黒「わかりました。Aさん気をつけてくださいね」
木「必ず戻ってこいよな。待ってるから」
日「戻ってこなければどうなるか分かってんだろうな？」
火「早く戻れよな！」
伊「みんな待ってるから」
誠凛メンバーの言葉をしっかり聞いて、私はさらに奥へ、5人は民宿へと向かって進んだ。
約束した以上は、必ずみんなの待つ民宿へ謝り野郎を連れて戻ろうじゃないか。
やるからには最後までやり通す。
ずっと奥の奥まで行くと長い階段があり、その階段を登り切ってさらに奥へと進めば崖がある。
その崖の先にあるのが、神楽坂家が代々封印を護ってきた祠である。
しかし階段より先にも、その周辺にはほとんど人が立ち入らないし、村人のほとんど近づかないような場所となっている。
神楽坂家が村人達に、安易に近づくなと言ってあるからだ。
そして人以外の、幽霊や悪霊やら妖怪なんかの類は階段の前に見えない結界があるため通れない。
祠から半径約5�劼�らい、イメージとしてドーム状の結界があるから階段に限らず、どこからも入れはしない。
つまり、人間だったら入れるって事だ。
でも、人間がわざわざ珍しくもなければ危険な場所にある祠を見に来るはずもない。
そもそも、なんの祠かなんて知る人間はもう神楽坂家くらいだろう。
その神楽坂家だって祠について知る人間は少ない。
そんな場所に邪鬼は自分の封印を解くためにまず霊界で封印を解いてから、元の世界で簡単に封印を解くつもりなのだろう。
謝り野郎の身体を使えば、封印の力がまだ弱いこの世界では簡単に結界内へ入れる。
簡単に言うと、邪鬼が人間の身体利用して、自分の身体を取り戻そうとしてるって話だ。
だけど、なぜ今だったのだろう？
人間に取り憑いて祠の封印解くなんて、これまででも出来ただろうに。
祠の封印の力が弱まってきて、今がチャンス！って事だったのか？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 106人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
レイ - 完結おめでとうございます。続編楽しみにしています。 (2019年1月2日 19時) (
レス) id: d739f229f9 (このIDを非表示/違反報告)
神代(プロフ) - 完結おめでとうございます！本当に素敵な物語でした！気まぐれ彼女も楽しみに待っています！ (2017年11月17日 13時) (レス) id: f49ce96779 (このIDを非表示/違反報告)
如月レン - 完結、おめでとう御座います。最後は、少し涙が出ました。更新、お疲れ様でした。続編、今から読みます。 (2016年8月19日 17時) (レス) id: 84fcaaee34 (このIDを非表示/違反報告)
たにやん(プロフ) - 完結おめでとうございます。いつも楽しみに読ませてもらってました。続編、期待しています！ (2016年8月12日 0時) (レス) id: 5939541d69 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - ｢気まぐれ少女｣の完結おめでとうございます!!サイガさんの作品はどれもおもしろいので、いつも更新されるのを楽しみにしています!!気まぐれ彼女も更新頑張って下さい。ファイトです(*^_^*) (2016年8月10日 13時) (レス) id: 8ed0b679fa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：サイガ
| 作成日時：2016年7月11日 20時
