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優しく提案するが起こす気は全くないようだ。
再び雅紀の中で恐怖心と好奇心がせめぎ合う。
そしてやはり好奇心が勝った。
智の後ろに回り
「潤、起きて！
時間だよ」
言いながら潤の頬を突つく。
それを繰り返すが一向に起きる気配はない。
「びびりすぎ」
待ち切れないニノが潤に近付き、その耳元に
「潤……起きて……」
そっと囁き息を思いっ切り吹き掛ける。
「うわぁっ！
何すんだよっ！」
一瞬で覚醒し怒鳴る。
……そして固まる。
何かを抱き締めている自分に。
抱き枕にしては重い。
しかも温かい。
口元にあるのはふわふわ。
もこもこではない。
もふもふでもない。
そもそも抱き枕なんて持ってない。
なんだこれ？
……すりすりしてくるあたり生き物だ。
だが寮内ペット禁止だ。
寮に生息している生き物は人間だけだ。
……ならこれは人間？
誰？
なんとも丁度いい大きさ。
もう少しふっくらしてるとベストか？
ふわふわな髪も気持ちいい。
そこから仄かに甘い香りがする。
優しくてさっぱりとした甘さだ。
いやいやだから誰？
漸く重い瞼を開いて見る。
ふわふわな髪は茶色い。
自分もしっかり抱き締めているが抱き枕もひっしとしがみついている。
しかもすりすり。
こんな甘えん坊の引っ付き虫は１人しかいない。
「……智？」
「後５分……」
返事の代わりに５分前に言った台詞を再度呟く。
「えっ、あれ……なんで？」
覚醒して抱き締めたままパニクる。
ベッドに寝てた筈の人間が何故ここにいて自分と抱き合っているのか？
見開いた大きな黒目がうろうろする。
そして慌てて抱き締めているものをべりっと引き剥がし
「あんた、どんだけ寝相悪いんだよ！
落ちてくんな」
……キレる。
耳元で怒鳴られるわ、折角の温もりから引き剥がされるわで智はハムスターのようにむ〜と頬を膨らませて起き上がる。
「もう絶対、３人で寝ない」
ぶ〜たれたまま断言する。
「２人に絡まれて動けないし暑いし。
必死こいて抜けたらもうリビングまで行くの疲れたし。
だからここで寝たんだもん」
……もんって言いながら唇を尖らせて拗ねる。
そう……彼は被害者だ。
文句言われたり怒られたりする謂れはない。
「だいたい潤だって俺の事ぎゅってしてた癖になんで俺ばっか言われんだよ」
完全に拗ねた。
クローゼットの中の引出しからハーフパンツを取り出してはくと、そのまま部屋を飛び出した。
「智！」
「拗ねちゃったね」
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蒼羽(プロフ) - ともさん» ありがとうございます。なんか設定が暗くて重いのが多いですね……なのにどシリアスになりきらない文章力のなさが申し訳ないです。トホホです。それでもめげずに書いて行きたいと思いますので、お付き合いよろしくお願いします。励まされ頑張れます。 (2021年2月12日 17時) (
レス) id: 878a08305b (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 終わってしまった。今回のお話も前回のお話同様…頭の中で構成図を組立ててそれを頭に叩き込みながら拝読させてもらいました(笑)皆…重く辛い過去を持ちつつも苦しみを分け合い支え合う姿に心を奪われています。とても素敵なお話をありがとうございました。 (2021年2月12日 15時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
蒼羽(プロフ) - あいさん ありがとうございます。お返事が遅くなり大変申し訳ないです。コロナに振り回されて小説書くだけでコメントまで手が回りませんでした。いつ終わるのか……外に出れない皆様のささやかな時間潰しが出来ればと頑張ります。 (2020年4月3日 14時) (レス) id: 878a08305b (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - こんばんわ、楽しく読ませてもらってます(^o^)これからも楽しみにしてます☆ (2020年3月20日 20時) (レス) id: 836a232359 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼羽
| 作成日時：2020年3月19日 20時
