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「あっちの店であいつキングなんだぜ。
こっちのキングは今度おまえだけどな」
そう言って笑う。
智の後にナインに入り新店移動で空いたそこに今度は潤が入った。
「智、ナインだったんだ」
「そう。
俺がナンバーズに入った時は上がったの１人だけだった」
その時空いたのがナインだった。
ただそれだけ。
だが潤にとっては何故か少し擽ったくなった。
智と同じナイン……
何故か嬉しくなった。
俺は乙女か？
自分で自分に突っ込む。
最短で上がると勢いで宣言したから１年でナイトに上がるのは予定通りだ。
だけどやっぱり不安はあって……
本当に俺、大丈夫か？
でも智と同じ数字だとわかった途端、大丈夫だと思ってしまっている。
単純だなぁ……
そんな自分に苦笑していると
「でも残念だったな、新しい寮入れなくて」
「ああ、この年末に合わせるって凄いね。
半年ちょいで出来るもんなんだ」
「かなり無理言ったみたいだからきりきり働けって言われた。
無理言う分、割増になったからって」
「……マジか」
「しかも新店もオープンだろ。
馬車馬のように働かなきゃだよ」
智が大袈裟に肩を竦めた。
新店舗建設が始まっていた状況で寮が土砂崩れにあった。
結果、同時進行となりナイトたちには借金返済の為にしっかりきっちり働けとお達しが出た。
「まぁあっちはあっちで返せるんだろうけど」
「智はあっちの店、知ってるの？」
「この間オーナーに連れて行かれて見せられた。
ビルの最上階がクラブ。
その下が寮とかスタッフ施設。
その下にジムとかトレーニングルームがあって店の人間は勿論、一般も使用可能。
その下が地下まで飲食店が入ってる」
「結構でかいビルだな」
一件であるのだと思っていた。
「全面ガラスだよ。
エレベーター降りると直ぐに入り口でさ。
中央に丸いカウンターがあって厨房はないの。
飲食は済ませてから来てもらって摘まめる程度の物を出すくらいだって。
店内はビルの最上階だから夜景はよく見えるように暗めにしてた。
スタッフルームは下の階にあって、従業員専用のエレベーターで上の階はカードがないと開かないようになってる」
「凄いな」
無理矢理連れて行かれたような言い方だったが新しい店の新しいビルに興奮しているのか何時になく饒舌だ。
「そっち行きたい？」
「無理……
若い女の子とどう接していいのかわかんない」
そうだった。
智は聞くのが得意なナイトだ。
自分の話はほぼしない。
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蒼羽(プロフ) - ともさん» ありがとうございます。なんか設定が暗くて重いのが多いですね……なのにどシリアスになりきらない文章力のなさが申し訳ないです。トホホです。それでもめげずに書いて行きたいと思いますので、お付き合いよろしくお願いします。励まされ頑張れます。 (2021年2月12日 17時) (
レス) id: 878a08305b (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 終わってしまった。今回のお話も前回のお話同様…頭の中で構成図を組立ててそれを頭に叩き込みながら拝読させてもらいました(笑)皆…重く辛い過去を持ちつつも苦しみを分け合い支え合う姿に心を奪われています。とても素敵なお話をありがとうございました。 (2021年2月12日 15時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
蒼羽(プロフ) - あいさん ありがとうございます。お返事が遅くなり大変申し訳ないです。コロナに振り回されて小説書くだけでコメントまで手が回りませんでした。いつ終わるのか……外に出れない皆様のささやかな時間潰しが出来ればと頑張ります。 (2020年4月3日 14時) (レス) id: 878a08305b (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - こんばんわ、楽しく読ませてもらってます(^o^)これからも楽しみにしてます☆ (2020年3月20日 20時) (レス) id: 836a232359 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼羽
| 作成日時：2020年3月19日 20時
