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何故、カラーズが特別なのか……
カラーズの横に並ぶ名前の殆どが英語名だ。
漢字名もあるが、明かに日本人の名前ではない。
カラーズが相手をするのは、ほぼ外国人。
言語は勿論、国々の文化の違い、思想の違い、それら全てを把握して席に着かなければならない。
その責任の大きさは並大抵の事ではない。
潤はまだ読めていなかったが、カラーズの資格はナンバーズのそれに、３つの言語をマスターしなければならない。
覚えた言語を使う他の国々の把握。
それぞれの国の内情まで覚える。
ただ言葉を話せればいいのでもない。
それらの努力の為の金額なのだ。
「では、本日もよろしくお願いします」
「「よろしくお願いします」」
スーツの男が頭を下げるとナイトたちも揃って頭を下げる。
ナンバーズは部屋を出て行く。
その後ろから声が掛かる。
「智、彼暇だろ、預かろうか？」
「なんで？
カラーズ、暇？」
良かれと声を掛けたのに辛辣な返しが来た。
「暇じゃねぇけど。
ゆったりスケジュールだな」
「確かに」
いちいち一言多い。
「おまえ……可愛くないぞ」
「俺に可愛いを求めるな」
「店見ながら説明した方がわかりやすいだろ。
だからここに置いとけって言ってんの」
「休みの予定だったのにどうしてもの客の相手しに出て来ただけだから。
その前後は確かに俺は暇だ」
カラーズの面々は楽し気に声を掛けてくる。
どうやら智が拾って来た潤に興味があるようだ。
「おまえ、もう町へ行くな。
いろいろ拾い過ぎ」
「まぁ、癖あり過ぎて面白いけどさ」
「今度のも癖ありまくりそうだしな」
完全に楽しんでいる。
そんな状況に潤の方が薄ら寒さを感じてしまい、智を見る。
「ほら、びびってるじゃん。
皆が不気味過ぎて」
「びびってねぇし」
「不気味ってなんだよ」
「おまえが言うな」
智の言葉に色んな抗議が被さる。
抗議を受けながら、じーーとカラーズを見る智。
「じゃ、お願いしまぁ〜す」
そう言ってさっさと部屋から出て行った。
呆然とする潤。
「時間だな」
「開店時間にナンバーズは店で出迎えなきゃなんないからね」
「俺らは自分の客が来たら、あっちの階段から降りて行くんだよ」
「勿体ぶった演出？」
口々に説明される。
誰が何を言っているのか、よくわからない。
店のトップの面子の中にぺーぺーのぺの字にもなっていない自分を残して行った智を恨む。
「とりあえず、コーヒーでも飲む？」
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作者名：蒼羽
| 作成日時：2020年2月10日 8時
