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なんとか笑いの収まった２人は涙を拭いながら雅紀に謝る。
「もう笑い過ぎ」
「だってさぁ、へ〜い彼女〜って漫画みたいな台詞言うんだよ」
思い出してまた震え出す。
「思い出して笑わないでよ。
ほってってナンパされまくる？」
「駄目！
腹筋が死ぬ」
ナンパされる度に爆笑すれば腹筋が筋肉痛になるのは間違いないだろう。
ナンパされるより腹筋の心配をする。
「俺と智じゃナンパされて腹筋死ぬから潤、智の引っ付かれ虫してよ。
俺、雅紀と普通に歩くからさ」
「なんで俺？」
「雅紀じゃ、ちょろそうで無視してナンパされそうじゃん。
潤だったら目力怖くて寄って来ないだろ？」
「………」
どっちも大概な言われようだが、なんとなく当たってる感じがして納得した。
ニノの提案にのる事にした潤は智に向かって手を差し出す。
智はそんな潤をじっと見つめて恐る恐るその手を握る。
手を握って潤の表情が変わらないのを見てほっと息を吐き安心したように微笑んだ。
「ありがと……」
はにかみながら囁くように礼を言う。
潤はちょんと握っただけの智の手をしっかり握り直す。
「はぐれんなよ」
「うん」
ふわんと嬉しそうに返事をする。
子どものように無邪気に……
まずニノのゲームを買いに行き、その流れで歩きながら目についた店に入る。
雑貨屋であれば雑貨を見て必要ならば買う。
洋服屋ならばそれぞれに合わせてみて気に入れば買う。
途中、昼御飯にラーメンを食べてまた回る。
寮の食堂では滅多に出ないのだ。
スープも気合いの入った手作りになるから……
なのでラーメンは皆、外に出た時につい食べに行ってしまう。
ちなみに昼御飯前に１度、荷物を車に入れに行っている。
「雅紀、これ以上服増やすの？」
「俺が貰う」
「上はいいけど下は無理だろ？」
呆れるニノに智が打開案を提示するが問題ありだった。
「幅はちょっと大きいだけで大丈夫」
「七分丈ならいけるって？」
「ロールアップしても可愛いよ」
ニノの嫌味に雅紀の提案はフォローになっているのか微妙だ。
「こういうのとか似合うのに。
着ない？」
雅紀が手にした服を見てブンブンと大きく頭を横に振る。
「俺のお下がりってこんなんばっかだよ。
なんでお下がりはよくて買うのは嫌なの？」
雅紀は季節に合わせたカラフルな服が多い。
華やかな雰囲気を持つ彼には似合っている。
「お下がりは部屋で着れるけど買ったのは何時着ていいかわかんない」
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作者名：蒼羽
| 作成日時：2020年2月10日 8時
