１２ 天使達の行く末 ページ12
「どういう事なんですか。
それより、そもそも２人は相葉くんより先に入ってます。
本当に入って来るかどうかわからない所に……」
「我等もそうだが神もまた果てなき時間を生きていると時折……時間が前後する事がある。
恐らくそれであろう。
それはそれ面白いからこのメンバーにした。
監視も兼ねてな」
「このメンバーは貴方が決めたのですか？」
「そうだ……とも言えるし、神が気紛れに関与したかもしれぬ。
もしくわ……我が身内が通り過ぎたかもしれぬ。
奴や神の考える事など流石に俺にもわからんし……何も深く考えてないやもしれん。
そして俺が考える事でもない。
それに神が天使を生み命を下した時点で、その事を忘れ去ったであろう事は容易に想像できる」
からからと愉快そうに笑うが笑っている場合ではないのではなかろうか？
「では…もし万が一雅紀を殺した後…彼等は…一体どうなるのでしょうか？」
「消滅か自由と言う名の放置……もしくわ…俺が飼うか……」
生むだけ生んで放置された天使の行く末を尋ねた答えは…………翔の想像通りだった。
「酷いよ……そんなの。
創ったのは神様なのに放ったらかしだなんて。
じゃあ、何で生んだんだよ！」
「雅紀は優しい子だね。
おまえに教えられる事がどれ程あるか……神に教えてやりたいくらいだよ」
智は雅紀を羽毛で何らかの卵を抱き締める如く優しく柔らかくそっと抱き締める。
「雅紀と私との扱いに差がありませんか？」
「翔……ヤキモチか？
人で有りながら人である事を放棄した其方に何の遠慮が必要か？
少々の事で其方が潰れる事も死す事もない。
それに…あれだけ好きにさせてまだ不満か？
おまえ故に許した事ぞ」
「ああ……もう！
貴方には惚れた方が負けなのはわかっていますよ！
それで、あの２人はどうするんですか？
余り引き伸ばせば、その大事な雅紀が壊れてしまいますよ……わかっているのでしょ？」
「わかっておる……来るが良い、翔」
吐息を吐くように甘く呼ばれ誰が抗えようか。
誘われるように翔は智に近付く。
雅紀を抱き締めたまま翔に手を伸ばす。
その手を翔が掴んだ瞬間……引き寄せ口付ける。
「……そうやって誤魔化す。
雅紀だって困ってるでしょ。
本当に…もう、貴方は！
笑っている場合ですか！」
楽し気に笑う智に抱き締められたまま、人の接吻を見せられた雅紀と人に見られて口付けられた翔はどちらも真っ赤になるしかなかった。
視線すら合わせる事もできずに……
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蒼羽(プロフ) - みみさん» コメントありがとうございます。妖艶な王様さとさん楽しんでいただけてよかったです。私が書くとほわほわしてしまうので。格好良いさとさん目指しているんですけどね。そう言いつつ格好良いからは少しズレてますが……完読ありがとうございました！ (2021年10月18日 13時) (
レス) id: f9ecf164e6 (このIDを非表示/違反報告)
みみ(プロフ) - 完結お疲れさまでした！面白かったです。妖艶な王を想像するのが楽しかったです！ (2021年10月18日 7時) (レス) @page47 id: 6d225d7753 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼羽
| 作成日時：2021年9月28日 2時
