１８ 妖魔の流儀 ページ18
一切の熱を感じる事のない指先、唇、舌までも……
だが触れられた天使はその場所に燃え盛る炎の如き熱を感じる。
快楽の全てを知り尽くした妖魔の手管に為す術なく、熱の逃がし方すら覚えてはいない全てを失った天使は炎に呑まれ焼き尽くされ…唯………堕ちて行くのみ。
熱い熱を包み込む妖魔の体内は冷たく感じるのに、自身の熱は冷める事がない。
天へ……天へと上り詰めて行き、幾つもの門を抜けた。
天使の上で妖しく舞い微笑み天使を見下ろす艶やかな妖魔の闇色の瞳から目が離せない。
生まれたのは天ではあったが２度と戻る事の叶わぬ天より……もっともっと遥かに高い場所へと誘われ天使にはない筈の何度目かの欲を解放した。
妖魔の身の奥深くに………
「天使………超絶倫。
本当に神がちゃんと色んな事を教えておけば２度も初めてを俺に喰われる事もなかったものを。
人間に紛れ込ませる為に全力で人間に寄せて創ったのが間違いなのだ。
天使に欲なんて……付けちゃ駄目だよ、神様」
皮肉を言いながら微笑み横で眠る天使の髪を撫でる。
「それとも欲に塗れさせて堕天使を通り越し悪魔にする気か？
それはそれ面白いがな」
くくくっ……抑え切れず笑いが漏れる。
「次は和だな。
あれもちゃんと天に上らせてやるか。
２度と還る事の叶わぬ天へ。
……だが、まだ記憶は戻させぬ。
暫し悩んでおれ……己にない筈の欲に……
おまえ達が記憶を取り戻すのは、ベッドの上ではない。
ちゃんと………それに相応しい場所を用意してやる」
微笑みながら天使の閉じられた青白い瞼に口付けた。
「翔、言ってた事……手配できたか？」
「できましたよ。
有能なマネージャー陣もきちんと手伝ってくれましたので。
それより最近…２人が大人しいようですが、貴方……何かしました？」
「……天使は超絶倫だった……とでも言えばいいか？」
「したんですね」
「ああ、見事な余興だ。
神は全力であれらを人間に寄せていた。
鼻から天使だとバレていたのにな。
その癖、何も教えていなかった。
鳥の雛と同じよ。
人間の中に入り人間を模倣すればいいとでも思ったのだろうな。
生憎、教えたのは人間ではなく妖魔だった。
神が教えなかった事を全て教えたのは俺だ。
それでも…その時が来れば神の命令が優先されるから捨て置いたのであろうがな」
天使を介して神と遊んでいるのかと思う程に楽し気に笑っている。
「だがな、余りにも人間に寄せ過ぎた。
時期に堕ちるだろうな」
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蒼羽(プロフ) - みみさん» コメントありがとうございます。妖艶な王様さとさん楽しんでいただけてよかったです。私が書くとほわほわしてしまうので。格好良いさとさん目指しているんですけどね。そう言いつつ格好良いからは少しズレてますが……完読ありがとうございました！ (2021年10月18日 13時) (
レス) id: f9ecf164e6 (このIDを非表示/違反報告)
みみ(プロフ) - 完結お疲れさまでした！面白かったです。妖艶な王を想像するのが楽しかったです！ (2021年10月18日 7時) (レス) @page47 id: 6d225d7753 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼羽
| 作成日時：2021年9月28日 2時
