26 ページ26
さらりと言い切った……
「私も見たい…」
大宮の当主もきっぱり言い切ったよ……
「私も癒されたいーー。
当主なんてストレスたっぷりなのよ！
癒されたっていいじゃないっ。
自分たちばっか、狡すぎーー」
櫻塚の当主は俺たちより年上だけど、大宮の当主は年下？
見た感じは俺らと変わらないような気がするけど…
女の人の年齢はわかりにくい……
「潤くん、女性の年齢は考えても口に出しても駄目だから」
やばい…
和に指摘されて慌てて口を抑える。
「悪いと思ったら寝顔見せて…
それでまた頑張れるから……」
真剣な瞳でお願いされる。
全てを引っくり返して新たな大宮を作ろうとしている彼女が大変なのは…わかる。
…どうしたらいい？
ちらちらと和と翔さんを見る。
なのに２人は苦笑いを浮かべるだけだ。
いいとも悪いとも言ってくれない。
今度はじーーっと２人を見た。
すると２人は漸く苦笑いのまま頷いた。
「……どうぞ…」
その間じーーーっと俺を見ていた大宮の当主に頷いた。
「やったぁー！
ありがとう！」
満面の笑みで家の方へ駆け出した。
……なんなの？
「じゃ、俺も。
お疲れだから癒されて来よう」
もう翔さんも何も言わなかった。
流石、一門の当主……なのか？
ちゃっかりしている。
櫻塚の当主はスキップしそうな勢いで家の方へ向かった。
「勝てないよな、あの２人には……」
和が溜め息をつきながら俺の肩を叩いた。
勝つとか負けるとか以前の問題で、俺はどう接していいかすらわからないんどけど…
そんな俺に振っといて何？
「どさくさに紛れて武師の２人もいないからな」
翔さんも溜め息をついた。
確かに寝顔で充分癒されるよ、あの２人には。
どっちも幸せそうな寝顔してるから…
暫くして大宮、櫻塚の当主たちがほくほく顔で帰って行った。
俺たちに微妙な疲れを残して……
で、俺たちが癒されに２人の寝顔を見に行く。
何か楽しい夢を見ているのか、ニコニコ顔で眠る雅紀…
「寝るのも全力だな」
雅紀のサラサラな髪を優しく撫でながら翔さんが呟く。
確かに…
雅紀はなんでも何時でも全力だよな。
夢の中でもそうなんだ…
寝顔も全力の微笑みだね。
どんな夢を見ているんだろう。
智もまた穏やかな笑顔を浮かべながら眠ってる。
少し顔色は悪いけど…
それだけ消耗したんだね。
智は何より眠る事で回復する。
ひたすら回復するまで眠り続ける。
最初の頃は本当に起きるのかと心配もしたけど…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 151人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蒼羽(プロフ) - ともさん» ありがとうございます。処女作と言う事で文章回しが少々？固かったかな？ですかね、申し訳ないです。その後は慣れるに従って改善できてると思いますが……思うだけで自信はないですが。そんな拙い文章でも楽しんで頂けて幸いです。これからもよろしくお願いします。 (2021年2月7日 18時) (
レス) id: 878a08305b (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 初めまして。ちょっと難しい内容？でしたが思いっきりのめり込んで一気読みしちゃいました（笑）ゆっくり一語一句噛み締めるように読み頭で想像しながら。とっても面白かったです。めっちゃ素敵なお話で楽しかったです。 (2021年2月7日 17時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
蒼羽(プロフ) - だんごさん、応援ありがとうございます。とっても励みになります。拙い作品どすが、気に行って頂いて嬉しいです……これからも地味に頑張すので、よろしくお願いします。 (2020年1月26日 15時) (レス) id: 878a08305b (このIDを非表示/違反報告)
だんご(プロフ) - はじめまして、こんばんは。お疲れ様でした!このお話凄く好きだったので名残惜しいです( ；∀；)短編集、楽しみにしています!頑張ってくださいヽ(^o^)丿 (2020年1月26日 1時) (レス) id: 40480d6916 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蒼羽
| 作成日時：2019年12月24日 0時
