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ぞっとした。
未成年の中学生の俺をどうこうしたい奴がいるっての？
そんなの想像できない。
ニュースでたまになんとなく聞くけどふ〜んって聞き流してた。
小学生や中学生に悪戯する大人。
金払ってでもやりたいの？
それを俺がするの？
あり得ないだろ。
でもありなんだ……この世界。
「あの人……和よりもっと小さい時からそんな事させられたって、さっき聞いた」
え……もっとって小学生って事？
いや、いくらなんでもそれはないだろ。
中１？
「俺への給料払うためにどれだけの人数相手にするんだろうな」
好きでやってるんだと思ってた。
でも子どもの頃に連れてこられて、そんな事させられて来たってのか？
わからない。
あいつはどういうつもりで俺たちの借金肩代わりしたんだ？
本当に家政婦が欲しかったからじゃないのか？
へらへら笑って甘やかされて甘える自由人じゃないのか？
知らない。
あいつは何も言わないじゃないか。
第一、俺と顔なんか合わさないだろ。
……わざと合わせないのか？
俺が嫌ってるから？
ぼや〜としてるようで気付いてるのか？
でも……そうだよな。
俺が学校から帰って来る前に仕事行って俺が学校に行ってから帰って来る。
俺が休みの日は帰って来ない。
恋人のとこに行くんだからいいかって思ってたけど、ここあいつの家じゃん。
家に殆どいないのに家政婦雇う意味なくない？
「智さん、何人か借金の肩代わりしてるらしい。
出世払いでいいからって」
「……！！」
親に押し付けられた借金を他人が払うってどういう事なんだよ。
「そんな人なんだって。
自分がした嫌な思いを他の人にして欲しくないらしい。
そういう人もいるんだよ」
兄さんの瞳がゆらゆら揺れる。
親にすら裏切られた俺たちだから互いしか信じて来れなかった。
なのに……他人のために身を削る奴がいるんだ。
しかもこんな世界に……
だけど……それでも今更知るのが怖くて何も聞けなかった。
だから……あいつも頑なに俺に顔を合わせようとしなかった。
そうしてすれ違ったまま年月だけが嘘みたいに穏やかに過ぎて行った。
高校は自転車で通える範囲でそれなりにいい学校に入れた。
兄さんや翔さん、他にも現役大学生もいたから何かと勉強を見てくれたんだ。
高校生活もそれまでの不幸はなんだったんだろうってくらい順調だった。
高校入って部活はせず、アルバイトをした。
自分の小遣いくらい自分で稼いで早く借金を返済するために。
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蒼羽(プロフ) - 夏樹さん» ありがとうございます。ちょっと寄り道してましたが、続き始まりました？ので、これから後半に向けて頑張ります。応援ありがとうございます。これからもよろしくお願いします！ (2021年1月24日 22時) (
レス) id: 878a08305b (このIDを非表示/違反報告)
夏樹 - 楽しみにしながら、小説の続きが読みたいです。 (2021年1月24日 22時) (携帯から) (レス) id: f3c5bb2111 (このIDを非表示/違反報告)
蒼羽(プロフ) - 猫さん» コメントありがとうございます。面白いそう言っていただけて嬉しいです。頑張りますので、よろしくお願いします。 (2021年1月17日 11時) (レス) id: 878a08305b (このIDを非表示/違反報告)
猫 - 小説面白いです更新待ってます (2021年1月16日 23時) (レス) id: c3d8a6651c (このIDを非表示/違反報告)
蒼羽(プロフ) - 明さん、コメントありがとうございます。毎日２話が限界で申し訳ないです。時々滞りますが……寝落ちして更新しそびれる……なんて事もありますが。できる限り頑張りますので、これからもよろしくお願いします。 (2021年1月12日 21時) (レス) id: 878a08305b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼羽
| 作成日時：2020年12月29日 16時
