３０ ページ30
side 和也
「来週の日曜日空いてる？」
夕飯食べながら兄さんが聞いてきた。
「来週は特に予定はないけど、今のところ」
「そのまま空けといて。
なんか雅紀さんからそう言われた」
「何すんの？」
「さぁ、よくわからないけど翔ともども楽しそうに笑ってた」
「何それ？
怪しくない？」
「でも悪い事ではなさそうだったよ」
楽しそうに笑ってるって怪しさ全開だろ。
それを悪い事じゃないって……
人がよくて時々天然を発動する兄さんが大好きだけど心配でもある。
俺がしっかりしなくっちゃって。
まだ俺は兄さんに保護される立場だけど俺は俺のできる事で兄さんを守るんだ。
そして翌週……
「おはよう」
昼前に翔さんがやって来た。
今日は朝ごはんいらないって言ってたから用意してないけど。
「おはよう」
「おはようございます」
「さ、行こうか」
挨拶をしたらいきなり行こうかって。
どこへ？
「とこへ行くんだよ」
「花見」
「花見？」
「そ、花見」
「俺らで？」
「このフロアいる奴、全員で。
そこで紹介するってさ」
花見の席で紹介？
何それ？
「ほら、もう皆で準備してるから行くよ」
有無を言わせず俺と兄さんの背中を押す。
押されるまま行くと非常階段を何故か上がった。
花見すんのに何故、上に上がる？
上がって驚いた。
屋上は広く人工芝も所々ある。
そこに幾つかのターフが張られ階段のある建物にはカウンターと椅子があってドリンクコーナーになってる。
横にはジャグジー？
そして既に火を入れてるバーベキューコンロが３つ。
ドリンクコーナー近くのコンロの側の隅のチェアに座ってるあいつが俺らを見つけて手招きする。
「何ですか？」
兄さんが尋ねると
「お肉はよく焼く派？
ほどほど派？
生々しい派？」
肉の焼き具合を聞かれてるようだ。
他に言い方があるだろって聞き方だし。
「俺はほどほど派です。
和はよく焼く派だよな」
「うん、そうだけど、それが何？」
「よく焼く派はここ。
ほどほど派はそっちの１番大きいの。
生々しい派は奥のなの」
どうやらコンロが別れているようだ。
「分けないと若い連中はレア派が多いからウェルダン派に肉が回らないんだよ」
翔さんが捕捉してくれる。
そういう事ね。
よく焼く派のコンロの近くにこいつが陣取ってるって事はこいつもよく焼く派なんだな。
一緒か……
「智くん、誰かつく？」
「ん〜いいよ。
ぼちぼち食べるから。
皆、楽しんでよ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 239人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蒼羽(プロフ) - 夏樹さん» ありがとうございます。ちょっと寄り道してましたが、続き始まりました？ので、これから後半に向けて頑張ります。応援ありがとうございます。これからもよろしくお願いします！ (2021年1月24日 22時) (
レス) id: 878a08305b (このIDを非表示/違反報告)
夏樹 - 楽しみにしながら、小説の続きが読みたいです。 (2021年1月24日 22時) (携帯から) (レス) id: f3c5bb2111 (このIDを非表示/違反報告)
蒼羽(プロフ) - 猫さん» コメントありがとうございます。面白いそう言っていただけて嬉しいです。頑張りますので、よろしくお願いします。 (2021年1月17日 11時) (レス) id: 878a08305b (このIDを非表示/違反報告)
猫 - 小説面白いです更新待ってます (2021年1月16日 23時) (レス) id: c3d8a6651c (このIDを非表示/違反報告)
蒼羽(プロフ) - 明さん、コメントありがとうございます。毎日２話が限界で申し訳ないです。時々滞りますが……寝落ちして更新しそびれる……なんて事もありますが。できる限り頑張りますので、これからもよろしくお願いします。 (2021年1月12日 21時) (レス) id: 878a08305b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蒼羽
| 作成日時：2020年12月29日 16時
