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漆黒の体から紫のオーラが立ち上がり空に向かって大きく
間髪入れずサトシもマサキも吠え出す。
ショウの耳にはカズナリが今日は無駄に可愛い赤い耳あてが付けられる。
『流石だな。
サトシのあれは打ち消すのか？』
「ああ、サトシの声はあらゆる不快音や超音波なんかの効果まで打ち消せるよ。
マサキは羽ばたきでそれらを弾き返す」
『対ハウリングスキルを持っているのだな』
「そういう事」
『これは面白い。
そして分が悪いな』
「だから戦闘においてもパーフェクトに育てられてるし、実戦も結構こなしてるよ、あの２人は」
何年研究所で毎日繰り返し研究され実戦させられて来たか。
サトシが治癒と再生の限界を迎え回復するまでだけが休みだった。
回復すればまた……
その繰り返しを何年にも渡りやって来たのだ。
数ヶ月の特訓で簡単に越えられる訳がない。
それでも可能性に賭けた。
『だがマサキの方は完全に返せてないな。
動きが鈍っている。
サトシは……全くか』
「効いてない？」
『ああ。
サトシはとことんジュンに懐かせておく必要があるな。
そうすればハウリングが効く筈だ』
「付き合いが深ければ深い程効くの？」
『そうだ。
最初に噛んだから１番効く筈なのに効きが悪いと言う事はサトシにとってジュンが１番ではないのだろう』
「１番じゃなきゃ難しい？」
『だな。
以外と芯が強く頑固なのか？』
カイの話を聞きながらカズナリは思う。
引かないと決めた時、絶対に引かない。
どれ程自分がボロボロになろうとも。
それは大切な誰かを守る為。
大切な何かを守る為。
「頑固モードは滅多にないけど発動するとテコでも動かないよ。
それに俺とマサキとサトシは色んな事を一緒に乗り越えて来たからね。
ぽっと出のジュンにそうそう負けないよ」
『成る程。
そういう事か。
ならば難しいな』
カイが珍しく溜め息を吐いた。
「難しい？」
『信頼関係は勿論だが情があってこそだ。
ウォルファは情が深い。
情の深さがハウリングの効く効かないに大きく左右する』
「それは大丈夫かな。
順位を付けるのが難しい程、サトシは懐に入れた全ての人に対して情が深くなる。
それこそ…その人たち全部を守る為に一歩も引かない程」
『白毛にしておくのが勿体ないな』
小さなもふもふの白い塊を見詰めるカイの瞳は優しく情に溢れていた。
「まぁ、あるようになるよ。
俺たちはそうして色んな事を乗り越えて生きて来たからさ」
『頼もしい』
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蒼羽(プロフ) - ともさん» いつもありがとうございます。最後は５人でわちゃわちゃをもっとう？に書いてます。悲系とは無理です。読む分には大丈夫なんですが書けません。妄想なんでね、楽しくて幸せな妄想したいです。苦難はセーフと言うか好きですが。乗り越えた後に幸せ…がいいです。 (2021年2月21日 21時) (
レス) id: 878a08305b (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - こんにちは。こちらのお話も…残酷な過去があったけれど最愛な仲間？が増えて生きる意味と幸せを分かち合い強い絆で結ばれた5人。とっても胸アツで楽しかったです。 (2021年2月21日 14時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼羽
| 作成日時：2020年11月29日 14時
