果てない空がそこにある side Ａ ページ8
澄みきった青空。
広がる海。
２つの青のコントラストが凄く綺麗。
「すっごい綺麗だねぇ」
船を操る大ちゃんに大きめに声をかける。
聞こえにくいからね。
「だろ？
相葉ちゃんに見せたかったんだ」
そう言って笑う大ちゃんの笑顔はいつもの優しいそれ。
色々仕事が増えてロケも増えて嬉しいけれど忙しい日々。
それでも頑張ってこれたのはこの笑顔のおかげだと最近よく思う。
皆さ、俺の笑顔は太陽みたいで楽しくなるって言ってくれるけど、俺は大ちゃんの笑顔が好き｡
雑誌の撮影とかはアイドルスマイルしたりするけど素の時の屈託のない飾らない笑顔が好き。
ふわりと笑う優しい笑顔も腹を抱えて身を捩りながらの笑顔も……好き。
「ここらでいいかな」
船が止まった。
見回す限りの水平線……島影１つない。
あるのは空と海。
「やっぱ相葉ちゃんと来ると晴れるね」
「そうかな？
まぁ確かに大ちゃんは雨男だもんね」
「相葉ちゃんと２人だと晴れるって事はもう１人雨男いるんだよ。
２人になるから相葉ちゃんの晴れパワーが負けるのかも」
「何、それ」
２人で笑う。
あなたが誘ってくれたからロケではない……カメラもスタッフもいない。
この広がる世界に２人だけ。
一頻り笑った後、大ちゃんが釣り竿をセットして俺に渡してくれる。
２人で海に投げ入れ、のんびり当たりが来るのを待つ。
広い世界に２人でのんびり釣り糸を垂れる。
人混みからも喧騒からもかけ離れたここはまるで異世界。
波と風の音しか聞こえない。
現実逃避にはちょうどいい。
大ちゃんが釣りにハマった理由がわかった気がする。
現実の喧騒から切り離された世界。
今は俺と大ちゃんしかいない。
誰に見られる事もなく何しても誰も知らない時間と空間の無の世界。
自分自身も無に還る時間。
嵐の相葉雅紀ではなく、ただの相葉雅紀な時間と世界。
「相葉ちゃん、引いてるよ」
言われて見れば竿がしなってる。
慌ててリールを巻くと白い魚影が見えた｡
それを大ちゃんが網で掬う。
「お、でかいの釣れたね。
流石、相葉ちゃん」
大ちゃんにそう言われて悪い気はしない。
むしろいい気分。
世界に２人しかいないような錯覚に陥る場所で誉められたらそうなっちゃうよね。
地味に喜んでる横で大ちゃんは魚から針を外して絞める。
その手際の良さは感嘆に値する。
「相葉ちゃん、釣っててね。
大量頼むよ」
って大ちゃんは？
なんで早速、魚捌いてんの？
お見事な腕前だけど。
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蒼羽(プロフ) - 青子さん» 初めまして＆コメントありがとうございます！…もう嬉しすぎます。青子さんのお話もお気に入り入れて何度も読み返させて頂いてます。そんな方からのコメント嬉しすぎます。拙いお話にお付き合いありがとうございます。しかもタニス・リーファンだなんて…頑張れます！ (2021年11月26日 22時) (
レス) id: f9ecf164e6 (このIDを非表示/違反報告)
青子(プロフ) - 今回のラスト、まさかまさかでした。この先があったら、なかなか怖い事になりそう…などと妄想しております。蒼羽さんの作品をこれからも楽しみにしております。モンスターの太郎ちゃん、一郎君兄弟、楽しみにしております。最後にタニス・リーのファンです。 (2021年11月26日 16時) (レス) id: d98076db62 (このIDを非表示/違反報告)
青子(プロフ) - はじめてコメントさせていただきます。蒼羽さんのお話は全部読ませていただいております。毎日の更新本当にありがとうございます。 (2021年11月26日 15時) (レス) id: d98076db62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼羽
| 作成日時：2020年11月26日 0時
