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会社近くに借りた小さなマンションで新しい生活が始まった。
その頃には独りでいる事に不都合を感じなくなっていたから問題はなかった。
その会社で同じ新入社員として入ったのが……和。
二宮和也だった。
新入社員は俺と和の２人だけ。
俺はデザイン部、和は経理部だったけど。
仕事に没頭すると食事も忘れてパソコンと睨めっこしている俺を和は気にして、いつも食事に誘ってくれていた。
「和は俺なんかといて楽しい？」
「楽しいか楽しくないかで言えば楽しくはないよ。
でも面倒ではない。
同期他にいないし、年上連中と昼メシなんて面倒以外何モノでもないじゃん。
そんなお誘いを断る口実にさせてもらってるから気にすんなよ」
年上の人間にそんな事、絶対に言わないけど俺には遠慮なく言いたい事を言ってた。
「それに大野となら無言でも問題ないだろ？
無理に会話続ける必要もないし、根掘り葉掘り何でも聞かれるのも面倒だから本当に楽」
そんな和が会社から近いと俺の家に入り浸り俺の作ったごはんを食べて……それぞれの趣味の時間を無言で過ごすようになったのは、割と直ぐだった。
俺は大学で敢えて専攻にはせず趣味に落ち着かせた絵を描き、和はゲームをしていた。
自分の好きな事を無言でしてても問題ない。
でも……なんとなく横に人の温もりがある事に落ち着けた。
人の温もりが恋しくて……一線を越えたのは、きっと寂しかったんだと思う。
恋人だと思ってた人がただ熱を吐き出すだけの関係になって………
それに俺が耐えきれなくなって……
眠れないのに寝たフリして夜を過ごした日々。
そして……再び触れた人肌に寂しさが蘇り切なくなった。
それを和に気付かれ和は熱ではなく温もりを与えてくれたんだ。
お互いの温もりを分かち合いながら穏やかに過ぎて行く日々。
今度こそずっと続くと思ってたのに…………
営業部に移動になった和の帰りが遅くなり、時に酔い潰れたからと帰らない日があった。
営業故の付き合いだから仕方ないって思ってたのに。
……………違った。
……そして……………今に至る。
「何…それ」
「大ちゃん…辛かったね」
愕然とする櫻井くん。
力いっぱい俺を抱き締める相葉くん。
「それで、うちの会社の工場の方に勤務する気だったの？」
「それなら何も考えなくていいだろ？
目の前の仕事だけ熟せばいいだけだから。
もう何も考えたくないんだ」
でも……あの会社は駄目なんだ。
相葉くん、君がいるから。
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蒼羽(プロフ) - 青子さん» 初めまして＆コメントありがとうございます！…もう嬉しすぎます。青子さんのお話もお気に入り入れて何度も読み返させて頂いてます。そんな方からのコメント嬉しすぎます。拙いお話にお付き合いありがとうございます。しかもタニス・リーファンだなんて…頑張れます！ (2021年11月26日 22時) (
レス) id: f9ecf164e6 (このIDを非表示/違反報告)
青子(プロフ) - 今回のラスト、まさかまさかでした。この先があったら、なかなか怖い事になりそう…などと妄想しております。蒼羽さんの作品をこれからも楽しみにしております。モンスターの太郎ちゃん、一郎君兄弟、楽しみにしております。最後にタニス・リーのファンです。 (2021年11月26日 16時) (レス) id: d98076db62 (このIDを非表示/違反報告)
青子(プロフ) - はじめてコメントさせていただきます。蒼羽さんのお話は全部読ませていただいております。毎日の更新本当にありがとうございます。 (2021年11月26日 15時) (レス) id: d98076db62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼羽
| 作成日時：2020年11月26日 0時
