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でも大学行ってバイトして……それだけの生活だったのに、ある日……違和感を覚えた。
悪寒がするような視線を感じるようになって……
気のせいだって思おうとしたけど、できなくて。
日に日に強く近く感じるようになった。
それが恐怖でしかなくて。
だけど無理言って入った大学を休む訳にはいかないし生活のためのバイトも休めない。
毎日……気のせいだ、気のせいだ、気のせいだって何度も言い聞かせた。
でも……気のせいじゃなかった。
間近にあると気付いた時には人気のない場所に連れ込まれ耐え難い恐怖を植え付けられた。
ある筈の痛みすら麻痺して…でも体は動かなくて。
しかも…する事して…その場に放置されて。
どうにもできなくて、する気もなくて。
意識が飛んでいるのかあるのか曖昧な状態でゴミ屑のように転がっていた……のに気が付くと見知らぬ部屋にいた。
……ここは何処だ？
「お、気が付いたか？」
男の声に体がビクついた。
まだ悪夢の中にいるのだろうか？
恐怖に我知らず体が震え治まらない。
「おいおい、拾って手当てまでした人間にその反応は酷いな。
まぁ、仕方ないんだろうけどさ」
言われて改めて見ると確かに違う。
脂ぎった厳つい男じゃない。
彫りの深い顔に優しい眼差し。
ギラついた充血した目でもない。
この人に助けられた？
手当てされた……仕方ない状況を見られたんだ。
途端に込み上げるムカつき……抑えたいのに後から後から込み上げる。
ベッドの上で吐き出す訳にはいかず、慌てて起き上がる……と同時に身体中を襲う鈍い痛み。
どうにもできない俺を彼は抱き上げてトイレに運んでくれた。
もう何も出ないであろう状態まで吐き出し力尽きる。
そんな俺を彼はまたベッドに運んでくれた。
「あ、あの…ありがとう。
見ず知らずの俺なんかに……ごめん」
「見ず知らず……でもないよ。
同じ大学だし。
科は違うけどな。
俺は環境デザイン科１年の松本潤。
えっと、おまえは……」
「グラフィックデザイン科１年の大野智……」
「学食とかで見た事ある気がして連れて帰って来たんだよ。
あ、眼鏡壊れてたけど、大丈夫か？」
「あ……」
大学行きだしてからかけた眼鏡。
かけた方がいいかな？くらいの視力だったから、かける事にしたんだ。
目立ちたくなくて地味に……
「無くても生活には支障はないかな。
でも予備はないから買いに行かなくちゃ」
「勿体ないな。
可愛いし綺麗なのにさ」
「……そんなのいらない」
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蒼羽(プロフ) - 青子さん» 初めまして＆コメントありがとうございます！…もう嬉しすぎます。青子さんのお話もお気に入り入れて何度も読み返させて頂いてます。そんな方からのコメント嬉しすぎます。拙いお話にお付き合いありがとうございます。しかもタニス・リーファンだなんて…頑張れます！ (2021年11月26日 22時) (
レス) id: f9ecf164e6 (このIDを非表示/違反報告)
青子(プロフ) - 今回のラスト、まさかまさかでした。この先があったら、なかなか怖い事になりそう…などと妄想しております。蒼羽さんの作品をこれからも楽しみにしております。モンスターの太郎ちゃん、一郎君兄弟、楽しみにしております。最後にタニス・リーのファンです。 (2021年11月26日 16時) (レス) id: d98076db62 (このIDを非表示/違反報告)
青子(プロフ) - はじめてコメントさせていただきます。蒼羽さんのお話は全部読ませていただいております。毎日の更新本当にありがとうございます。 (2021年11月26日 15時) (レス) id: d98076db62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼羽
| 作成日時：2020年11月26日 0時
