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三つ子の１人は家で出来る仕事をして弟妹たちの面倒を見ている。
もう１人は連邦の宇宙軍に入った。
宇宙軍の給料はいいが、今回重なり過ぎた。
だから割のいいノーズへ出稼ぎに来たと言っていた。
金額が高ければ高い程、危険度は上がる。
最たるがこれだろう。
「駄目だろ、妹の結婚式にも弟たちの卒業式、入学式に出れないんじゃ」
金を手に入れてもそれじゃ駄目だろと呟いても返事はない。
家族思いのいい奴なのに。
「点滴くらいでは数値が下がらないですね。
ちょっとツテ頼ってみます。
サクライさん、ここにいますか？」
「ええ」
「じゃ私は連絡して来ます。
何かあれば、このボタンを押せば来ますから」
「わかりました」
猫の手形のボタンを手渡す。
「これは……」
「俗に言うナースコールです。
可愛いでしょ。
肉球がボタンです」
治癒能力を持つ人間がいる船で医務室を使う事もましてナースコールなど必要ないだろうに、何故そこに拘った？
「サトシの力を誰彼構わず見せる訳には行かないので緊急性がなければ普通の人はここにいて貰います。
結構ウケるんですよ、それ」
……だろうな。
確かに可愛いけど。
必要な理由もわかったけど。
「では失礼します」
カズナリは爽やかめな笑顔で医務室を出た。
すぴすぴと心地好さ気に丸まって眠るその人の頭をそっと撫でる。
「なぁマーくん。
どれが本当の姿？」
サトシの枕元に座り頭を撫でているマサキにジュンが尋ねる。
「ん、これ。
これがニュートラル。
普段がヒューマンモードで後はさっき見たバトルモード」
「真っ白だね。
でも髪は茶色いんだ」
「うん。
ヒューマンモードの名残り。
本当は真っ白だけど不意に見られたら困るだろ。
それでなくとも希少価値が高いから見つかるとヤバい。
治癒力があって強いし60歳なのにこれだよ……」
希少価値がてんこ盛り。
だから研究者が挙って欲しがる。
そして自由を奪われ研究と称して好き勝手されるのだ。
考えただけで身震いする。
「成長止まってんの？」
「どうだろうね。
治癒力も凄いけど自己再生力も高いからさ。
若返ってるかも」
マサキは苦々し気に笑う。
それこそどの惑星の人間も欲しがる力だ。
「でも誰にもあげない。
サトちゃんはサトちゃんのモノだから」
愛おし気にふわふわの髪を撫でるマサキの呟きは心から思う事。
「たまたま不思議な力を持って生まれただけなのにね。
自由に生きるのが難しいんだ」
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蒼羽(プロフ) - ともさん» コメント毎度ありがとうございます。とっても嬉しいです。ハッピーエンドが基本なので安心？して読んでやって下さい。悲型は書けませんね。それに書くならやっぱりハッピーエンドがいいです。楽しく読んで欲しいので。それでは続きをお楽しみ下さい。 (2021年2月20日 22時) (
レス) id: 878a08305b (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 途中ですが…サトシくんに危険が及ばないか？ジュンくんは？とか1人で考えながらドキドキしています(笑)続きに行ってきます(☆~☆) (2021年2月20日 14時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼羽
| 作成日時：2020年10月10日 1時
