【ウサビッチ】親の罪をかぶった少女 part２ (ページ10)

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続々ページ10

でも、その子はいくら待っても公園には現れなかった。

少女の親は民警をえらく警戒しているみたいだったから、その少女のアパートには近寄らないようにしていたが…もうそんな事を言っていられなかった。

俺の足は自然とその子のアパートへと向いていて、気が付いたら走っていた。

しかし、その子が住んでいたのアパートの部屋の前に着いた時、膝から崩れ落ちそうになった。

「……っクソッ！！」

部屋のドアの前に掛けられていた『空き家』の文字に後悔の念に苛まれる。

遅かった、今まで何をちんたらやってたんだ。もっと早くここへ来ていればあの子は助かったかもしれないのに。何をしてたんだよ俺は…！

それから聞き込みをしても書類を引っ張り出して探しても、あまり有力な情報は得られなかった。

それでもあきらめきれず、仕事の合間や休日を使ってその親子の情報をかき集めて、もうこれ以上捜査はできない…と思った矢先、一人の少女の事情聴取の仕事が入った。

そしてその少女を見て俺は目を疑った。

あの子に、８年前の冬に出会った少女にそっくりだった。

それから婦警が行った身体検査の結果や調べた資料からAは殺人をしていない事や虐待を受けていたことが分かった。

「こいつ"も"か…」

間違いない！やっと見つけられた。やっと助け出すことができる…！

そう思ってすぐに釈放して、それからゆっくり話を聞こう。…と思っていたが、その考えはすぐに打ち消した。

なぜならAは俺が事実を突きつけた時、世界の終わりのような絶望的な顔をして、目の奥にうっすら死を感じさせる光が宿ったからだ。

なんでそんな顔すんだよ、お前はやってないんだろ…？どうしてそこまで母親を庇おうとするんだ…！

本当はあの時そう問い詰めたかった。でも、それはできなかった。そんなことしたら今にもAが自分の舌を噛み切ってしまいそうだったから。

このまま死んでしまおうか、そうアイツの目が語っていたから。

そんなものは自己満足だと呆れるやつもいるかもしれない。

…でももう前のような過ちは繰り返さない。何が何でも絶対に俺がAを守る。

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