【ウサビッチ】親の罪をかぶった少女 part２ (ページ28)

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続ページ28

「はっ……、は、し…しぬ……！」

コプチェフさんの電話があってから、早く帰らねばと思い、家まで全力疾走した俺は肩で息をしながらエレベーターのボタンを押した。

暑すぎてＴシャツを脱ぎたい衝動に駆られたが、こんなところ(マンションの一階のロビー)で上半身裸になったらたちまち変態のレッテルを張られる事だろうから我慢した。

少し待っていると、ウィーンという機械音と共にエレベーターが降りて来た。
ドアが開くとともに滑り込むように中に入って自分の部屋がある階を押して閉のボタンを押す。
エレベーターのドアが閉まったのを確認して壁にもたれ掛り、乱れた息を整えていると、またケータイの着信音が鳴りだした。

ディスプレイを見ると、今度は『ボリスさん』の文字が浮かび上がっていた。

「(今度は何だ…？)……もしもし？」

通話ボタンを押して耳を近づけると少し急いでいるようなボリスさんの声が聞こえてくる。

『おい、今どこだ』

「え、マンションのエレベーターの中ですけど…」

『そうか。……あと３分くらいでそっちに着くんだが…』

「えぇっ！？ボリスさんも来るんすか！？」

『あ…？聞いてないのか？』

さっきより一層低くなったボリスさんの声に少し恐怖を感じながら、「コプチェフさんが今から俺んちに来るってことしか聞いてないっす…」と答えると、舌打ちと共に何か(誰か)を殴る音が聞こえた。(多分コプチェフさんが殴られたんだろう)

『…もしもし？』

「あっ、はい！」

『今から俺とコプがそっちに向かう……、っと……もう着いたわ』

「えぇっ！あ、俺も今エレベーター自分の部屋の階に着きました」

『そうか、なぁ頼みごとがあるんだが……』

電話しながらカンシュコフはエレベーターを降りて自分の部屋へと向かった。

「なんすか？」

『今から俺たちと……、もう一人そっちに行くんだが…』

「はい、誰ですか？」

『…いや、ソイツのことは着いたら詳しく話す』

あまりにボリスの声色が真剣なものなので、カンシュコフは思わず電話越しに頷いた。

「わ…分かりました。あの、頼み事って……？」

部屋の前に着いたカンシュコフは部屋の鍵を開けながらボリスに尋ねる。

『お前の家に着いたらベッドを貸してほしい。あと、キレイなタオルと…包帯と、ああ、消毒液も』

「は、はい。わかりました……？」

何するんだろう、と疑問に思ったがカンシュコフは突っ込まない事にした。

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