ポケモンでボカロ曲パロしちゃうよ！？←

ラン/speed 2 ページ7

「何を望んでいるの？何を夢見ているの？そこにいるのは誰？そこに居場所はある？」


ただ一人、ここにいないあの人に訊ねる。

明日も違って、また変わっていくのに。期待するだけ無意味でしょ？愚かでしょ？



今日はAさんとの再戦の日。約束の時間になってもまだ来ない。


「ラン……！」

「フウ、どうしたの？顔色変えて」


フウが血相を変えて部屋に入ってきた。


「Aさんが……死んだ」

「え？バカ言わないで」


でも、フウが抱えていたのは……。Aさんの、亡骸。
何でも、襲ってきた強力なポケモンの技を食らったって……自分のポケモンを庇って。



愛しているのに、求めているのに、届かない……。
声がするけど、きっと別の誰かの声……。耳を塞ぐ。聞こえない。


「駆け抜けるスピードに振り回されて、大切な事、見失っちゃった……」



「Aさん……！離さないで、行かないで。手を握って声を聞いてよ……！」

「ラン……」

「忘れないで、思い出して……取り戻したいよ……！」


触れてしまった心がどうしようもなく……

「冷たい、冷たい、ツメタイ……！！」



「離さないで、行かないで！手を握って声を聞いて……！！」

でも、これ以上一人で走り続けるのなら……

「もう離して……！早く行って振りほどいてよ！」

手を握ったまま、声をあげる。これ以上は走れないから…………







愛を塞いだ。もう求めないし、届かない。声がしなくなって、耳を澄ました。

「聞こえない……ッ！！」

マツバ/百年夜行→←ラン/speed

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す