ポケモンでボカロ曲パロしちゃうよ！？←

空想フォレスト/デント ページ19

夏風がノックする窓を開けてみると、何処からか迷いこんだ鳥の声がして、


「何処から来たの？」


と笑う。目隠ししたままの午後三時。

世界は案外シンプルで、複雑に怪奇した私なんて、誰に理解もされなかった。

街外れ、森の中。人目につかないこの家を訪れる人なんていないわけで。



「目を合わせないで！」


固まった心を一人ぼっちで諦めてた。

目に写る無機物に安堵する日々は、物語の中でしか知らない世界に少し憧れることくらい許してくれますか？



淡々と流れ出した、生まれてしまった理不尽でも、私の中じゃ案外人生なの。

ねえねえ、突飛な未来を想像して膨らむ世界は、今日か明日でもノックしてくれないですか？



なんて妄想なんかして外を眺めていると、喋り声が突然に聞こえてきた。

飲みかけのハーブティーを机中に撒き散らし、どうしよう、とドアの向こうを見つめた。



「目を合わせると石になってしまう」


それは両親に聞いたこと。私の目もそうなってるようで。

物語の中じゃ怖がられる役ばかり。そんなの自分でもわかっていた。



トントン、と響き出したノックの音は初めてで、緊張なんてものじゃ足りないくらい。

ねぇねぇ、突飛な世界は、想像しているよりも実に簡単に、ドアを開けてしまうものでした。



目を塞ぎ踞る姿にその人は驚いていたけれど、目を見ると石になってしまうことを伝えると、また笑った。


「僕だって石になってしまうと怯えて暮らしてた。けど、世界は、案外怯えなくていいんだよ？」


タンタン、と鳴り響いた心の奥に溢れてた想像は世界に少し鳴り出して。

ねぇねぇ、突飛な世界を教えてくれた貴方がまた迷ったときは、ここで待ってるから…………





夏風邪が今日もまた、貴方がくれた服のフードを少しだけ揺らしてみせた。

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