私を襲う恐怖 ページ27
どれくらい気を失っていたんだろうか。
気が付いたのはどこかの倉庫に入る手前だった。
相変わらず私はあの二人に支えられて ( 引きずられて、かもしれない ) 抵抗も虚しく、倉庫の中に入っていった。
市橋くんのことが心配で仕方なくて何度も見ようとする度に、あの二人に邪魔をされる。
でもきっと、正樹くんは何もしない、はず。
…まだそう、信じていたかった。
『っやめてよ！離して！』
いきなり目の前に現れた真っ黒いソファーに投げ飛ばされた。
衝撃でソファーが音を立てて動く。
顔を上げると市橋くんと向き合う正樹くんの姿があった。
ちゃんと車椅子に座っている市橋くんに、少しだけ安心する。
『っ、正樹くんどうして、』
正樹くんは私を一瞥するとまた市橋くんの方を向いた。
「市橋くん、ちゃんと見届けて下さいよ。俺が矢波高まとめるとこ、と！Aちゃんまわすとこ」
『、は？』
その言葉の意味を理解した瞬間、血の気が引いた。
いくら世間知らずな私でもその意味くらい、分かる。
「おい、そいつ押さえろ」
『っちょっと、やだ！離して！離してよ！』
両手をもの凄い力で抑えられていて抵抗することも出来ない。
ニヤリ、と笑うその表情に全身に鳥肌が立った。
何も考えられない真っ白な頭のまま、抵抗し続ける。
「はい暴れんな！」
「大丈夫だから」
『やだ！、っやめてよ！』
「ふざけんなよお前ら」
市橋くんの声が聞こえた瞬間、咄嗟に彼の方に顔を向けた。
『っ、え、』
市橋くんと向き合う正樹くんの手に光る銀色の光。
それがナイフだと理解するのに、そう時間はかからなかった。
ここで私が抵抗したら、市橋くんが…危ない。
今まで私を襲っていた恐怖が一気に動きを止めた。
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狛犬のリサ(プロフ) - あーあ、やっぱり夢主はトビオじゃなくて市橋かぁ…けっ…作者は最高でドラマも最高だったし…トビオ落ちだったらもっともーっと最高だったのになぁ (2019年1月22日 2時) (
レス) id: 3d96b1b6a9 (このIDを非表示/違反報告)
みい - いつも楽しみにしてます！トビオおち分岐ありがとうございます！トビオと結ばれて欲しいと思ってたので嬉しいです (2017年9月27日 16時) (レス) id: 788e2e4591 (このIDを非表示/違反報告)
はる坊(プロフ) - この前はトビオオチが見たい！とコメントさせていただきましたが、正直私もどっちも見たいです。どちらも書いてくださるというお話すごく嬉しいです！！頑張ってください！！ (2017年9月2日 22時) (レス) id: 0e6de27daf (このIDを非表示/違反報告)
前田ちかね(プロフ) - 市橋くんオチがいいです！ (2017年9月2日 22時) (レス) id: f96c4eb485 (このIDを非表示/違反報告)
emu(プロフ) - 今日の回は昼顔っぽくて面白かったです！めっちゃ好きですこの感じの＞ω＜ (2017年9月2日 1時) (レス) id: 7e03b267ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐伯
| 作成日時：2017年8月8日 18時
