市橋さんとバイク ページ5
『いいですよそんなの、やっぱり私はクラブに向いてないって分かるきっかけになりましたし』
「……」
私の発言でジッと私を見つめる彼に蛇に睨まれたように動けなくなった私がいた。
なに、なにか私変なことでも言った！？
「…諦めるつもりねえから」
『へ？』
「お前のこと」
いつもはあんなに冷たい瞳で人を貶したような目をしているのに、今の彼はどこか違う。
まっすぐすぎるほどに人の目を見る市橋さんが私から目線をそらしたまま動かない。
心なしか耳が赤く見える。
『でも私、好きな人が』
「どんなやつだ」
私の言葉を遮るように問いかけられた。
驚いて市橋さんの顔を見るけれどいつものように真顔のままだから、きっと至って本気なんだろう。
『優しくて、仲間思いな人です、かね』
「…そうか」
どうしよう、とてつもなく気まずい
というか何で今私はこの男と普通に話してるんだ。
今までは近づくことさえ嫌で仕方なかったのに何で隣に座っているんだ。
「…行くぞ」
『え？、っちょどこに！？』
そんなことを考えていた私の隣で勢いよく立ち上がった。戸惑う私の腕を掴んでそのまま出口まで向かう市橋さん。
これはまずい。普通にまずい。
きっとこのままホテルに直行されて…その先は想像もしたくない。
でもさすがの私でもそれくらい分かる。
『ちょっと、！待ってってば』
「乗れ」
そう言われた瞬間飛んでくるヘルメット。
驚いて市橋さんを見るともう既に市橋さんの顔は真っ黒いヘルメットに覆われていた。
全身黒じゃねーか！いかにも怪しいよ！
なんてもちろん直接言える訳もなく。
ヘルメットを見つめたまま後ろに乗ろうとしない私を不思議間に思った市橋のヘルメットがこちらを向くけど、表情も全く見えないから私の中の恐怖が大きくなっていく。
震える足でバイクに近づくと恐る恐る彼の後に腰掛けた。
「ちゃんと持っとけ」
は！？持つってなにを。市橋さんの腰を掴めとでも！？
そんな自ら墓穴を掘るような真似出来るはずない。
間違いなく後で呼び出しされていたぶられるに決まっている。
なかなか腕を回そうとしない私に苛立ったのかグッと腕を前に引っ張られた。
反抗しようと手をひこうとした途端、分かっていたかのようにいきなりバイクが動き出した。
恐怖からグッと距離が近づく。
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もくもく(プロフ) - はぁぁぁ、、だいすきです。。。市橋くん、、 (2019年6月25日 19時) (
レス) id: 10c5a3095c (このIDを非表示/違反報告)
狛犬のリサ(プロフ) - 素晴らしい小説なんですけど、夢主を見ていくとだんだんトビオの事人として好きで恋愛対象ではないと思ってしまいますねこの回は (2019年1月22日 2時) (レス) id: 3d96b1b6a9 (このIDを非表示/違反報告)
佐伯(プロフ) - 優羽さん» コメントありがとうございます！本当に嬉しいです！（；_；）続編に移行することになりましたので是非ご覧下さい！！ (2017年8月8日 18時) (レス) id: b9ebf906a3 (このIDを非表示/違反報告)
佐伯(プロフ) - あかねこっこさん» コメントありがとうございます！嬉しいです（；_；）今日４話放送ですね！また更新するのでぜひ楽しみにして頂ければ！！ (2017年8月8日 18時) (レス) id: b9ebf906a3 (このIDを非表示/違反報告)
優羽(プロフ) - 初めまして。更新されると毎日読んでます。続きが読みたいです。更新待ってます。 (2017年8月7日 11時) (レス) id: e3622875d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐伯
| 作成日時：2017年7月24日 0時
