57話 ページ7
外はもう暗くなって、辺りはイルミネーションでキラキラした景色に変わる。
『昼間とは全然雰囲気が違う…綺麗』
釘「さっ後はパレード見るだけよ!」
虎「俺なんか飲み物買ってくる!」
周りの景色に唖然とするAとは対照的に、パレードを見るのに張り切っている釘崎と虎杖。この辺にしようとそこに立ち止まれば、そのまわりにもどんどん人が集まってきて、パレードの道なりにどんどん人が集まってくる。そしてパレードの時間。
『うわぁ綺麗!本当にあるんだ…まるで本とか映画の世界みたい』
隣に立つ伏黒はAのイルミネーションで照らされる顔に釘付け。前を向けばキラキラ光る大きい乗り物にプリンセスや王子様が乗っていて踊って手を振って、その周りを踊り回る妖精たちや他のキャラ。Aが言う通り本当に本や映画の世界だった。
それが逆に現実との差を突きつけられた気がした伏黒。普段自分達は死と隣り合わせで、隣で目を輝かしているAでさえ、心臓が止まれば死ぬ。
そう思うと触れていないこの1秒1秒が惜しくていつでも触れていたくて一緒にいたいという思いが募る。
すると伏黒はギュッとAの手を握る。今度は指を絡ませることなく只々握りしめた。
『…っ!』
横を見上げればパレードを見る伏黒。その横顔は何処か悲しげだった。
Aは何も言わずにその手をギュッと握り返した。
釘「それにしても疲れたわね」
『一気に現実に引き戻されていく』
虎「あんな楽しいとは見くびってたぜ」
伏「疲れた…」
パレードの後は先輩、先生達にお土産を買って帰路についた。そして電車ではこの通り皆お疲れの様子だ。そしてフラフラで寮につき、共有スペースにいる2年の元へ行きお土産を渡す。
希「ハハハッ、オマエらなんだそのカチューシャ。着けるやつ間違えてんだろ!女子軍は良いとして男子軍がそのカチューシャって…やべぇだろ!」
1年「「「「あ…」」」」
パ「パンダのはないのか?」
狗「明太子」
寮に着いて馴染みきっていたカチューシャのことを思い出させてくれた真希は大爆笑。そこに五条も来てウケる〜と写真を撮られる始末。
1年「「「「戻りたい/戻りてぇ」」」」
寮に着いて3秒で夢の国へ戻りたくなった1年なのであった。
533人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:かえさ | 作成日時:2021年1月9日 0時