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24 覗いた疑惑 ページ25

日和「あ、ねぇねぇ!こういうのも欲しかったりする?」

突然殿下が駆けだした
それに続いてジュン、閣下が付いて行く

茨「ちょっと、店内なんですからねー?」

自分の言葉も殿下達には届いていない模様
空野Aはじっと自分の後に着いて来る

茨「あなたは着いて行かなくて良いんですか?」

『私はあくまでも七種さまの使用人ですので。主を置いて何処かへ行くようなことは致しません』

茨「そうですか。あの」

『はい』

詳しく聞き損ねた事を聞いてみる

茨「先日、雨が降ったあの日。あなたの着衣からその、銃らしきものが見えたのですが」

『・・・』

子供という身分でありながら拳銃を持つのは些か不自然
使用人とは言え、護身用?そんな訳ない

茨「あなたの体術があれば銃などの飛び道具は要らないと思うのですが。そのようなものをいつも持ち歩いている理由をお聞かせ下さい」

この質問は空野Aにとってどれくらいの衝撃を与えられただろう?
銃を持っているなんて主には知られてはいけないはず、いわば主が知らなくて良い事
きっと知られたらまずい事

茨「もしかして自分を、殺すためですか?」

『そんなことは決してありません。私は主に歯向かうようなことは決して致しません』

意を決したように彼女は口を動かした

『あれは、武器です』

茨「それくらいわかりますよ。自分、軍っぽいところにいたことがありますので!」

『私は、使用人です。桜守使用人紹介所での、初めての使用人です』

ゆっくりと確かめるように言葉をつないでいる空野A
それになんの意味があるのはわからない
ただ、少しだけ声が震えているように思えた

『桜守使用人紹介所は発足当時、使用人としてあるべき姿というものが迷走しておりました。

一言で使用人と言ってもどこまでするのが使用人なのか、名高い方にお仕えすることだけが使用人としてのあるべき姿なのか。

さんざん悩んだ末、テストケースとしてまずはなんでも出来るようにしようと。そういった趣旨で私たちは育てられました』

茨「私たちと言うと?」

『私空野Aと、五月風見、イリアの三名です。各々戦闘分野においても家事スキルにおいても、一般の人よりも群を抜いているでしょう。

雇用主様を守るためならばどんな手段でも守り抜きます。それがたとえ、法に触れる様な事であったとしても。

この命は、七種さまの為にあります。私を正しくお使いくださいませ』

25 誤魔化したところで→←23 拭いきれない淡い期待


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作者名:ほたる | 作成日時:2020年8月10日 21時

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