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ただいま。 ページ25

Aは結局1週間の入院になった。
Aの居ないキャンプ地は、完全にモノクロと化して……、


「おーい。」


ダメだ。
Aが恋しくて、幻聴まで聞こえるようになった。


「おーい。翔平さーん。」


それにしてもクリアに聞こえる。

そして、


「!!」


俺の背中にふんわりと感じる体温。
間違うはずがない。


「A…。」

「何回呼んでも気付かないんだもん、俺の声忘れた?」

「そ、そんなわけ…!」

「ふふ、相変わらず可愛い反応すんね。」


いつものように肩に顎を乗せたAは耳元に軽くキスをしてから笑った。


「ただいま。」


俺は後ろを振り返ってAの身体をきつく抱き締めた。


「いてぇ!まだ痛いんだってば!」

「ご、ごめん!」


慌てて身体を離すとAはわざとらしく腰を押さえている。
そしてにやっと笑うと、


「いつもはこれ、翔平がやってんのにな?」

「ちょっ…、A!!」


ふたりでこっそり過ごした夜を彷彿とさせる言葉に、一気に顔に熱が集まるのを感じる。
Aは楽しそうに声を上げて笑いながら施設内にあるオフィスへ向かう。


でもまだ痛そうだな…。


.

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作者名:咲笑 | 作成日時:2024年2月26日 16時

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